企業や自治体にとって、公式キャラクターは単なるマスコットではなく、ブランドの価値を可視化し、競合他社との差別化を図るうえで重要なマーケティングツールです。
しかし、キャラクター制作は感覚や好みに頼って進めてしまうと、想定したターゲットに良い印象を与えられず、効果が得られない可能性があります。
そこで本記事では、愛される公式キャラクターを制作するために、必要なターゲット設定やクリエイターの選び方、発注用のテンプレート作成方法までをわかりやすく解説します。
目次
【オリジナルキャラクターの作り方①】ターゲットを明確にする
公式キャラクターを効果的に活用するためには、まずターゲット層を明確に設定することが大切です。「誰に」「どのような印象をもってもらいたいか」を意識しながらキャラクターを設計することで、ブランドメッセージがより的確に伝わるようになります。
ここでは、ターゲット設定に必要な項目や各項目におけるポイントや注意点を解説します。
ターゲット設定時に決める主な項目
ターゲットを設定する際には、まずは顧客全体を特定の属性に基づいてグループ分けする「セグメント」を行います。その際の代表的な項目を以下にまとめました。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
性別 | 男性・女性・その他 | 性別によって好まれるキャラクターの属性が異なるため注意。男女共通の場合も明確にする。 |
年齢 | ターゲットの年齢層 | 年齢に応じたデザインや言動、仕草を意識し、ターゲットに刺さる魅力を追求する。 |
趣味・嗜好 | 趣味や興味のある分野 | キャラクターの設定や小物に反映させ、親近感を高める工夫が必要。 |
職業 | ターゲットが従事している仕事や業界 | 職業に関連したシチュエーションや用語を取り入れると親しみやすくなる。 |
家族構成 | 家族の有無や構成(独身、既婚、子供の有無など) | 家庭環境に合った価値観や行動パターンを反映させることで、共感を得やすくなる。 |
年収 | ターゲットの平均的な収入層 | 収入に応じた購買力やライフスタイルを踏まえ、キャラクターの魅力づくりに役立てる。 |
愛されるキャラクターのための設定のポイント
セグメントは、あくまでターゲットになりうる顧客をグループ分けするプロセスです。愛されるキャラクターを制作するには、ターゲット設定を深堀りする必要があります。
以下のようなポイントを意識することで、ターゲットに愛されるキャラクターづくりにつながります。
- 具体的にイメージすることが大切
誰にでも当てはまるような抽象的なターゲット像ではなく、たった1人のペルソナ(具体的な架空の人物像)を設定することが大切です。具体的にターゲット設定を行うことで、キャラクターのデザインや性格、価値観などの方向性が定まりやすくなります。 - ターゲットのニーズを理解する
ターゲット層が求める価値や感情に共鳴する要素を盛り込むことが、愛されるキャラクターづくりにつながります。ペルソナを設定する際に、その人物像が抱えているニーズを深堀りしましょう。
【オリジナルキャラクターの作り方②】ターゲットに刺さる自社の特徴を反映させる

自社の公式キャラクターを制作する際には、単にターゲットに適したデザイン・キャラクター像にするのではなく、自社のブランドや文化を反映させることが重要です。
競合他社との差別化につながるとともに、より親しみやすく愛されるキャラクターに仕上がるでしょう。
ここでは、キャラクターに反映させる自社の特徴を整理するために使用したい項目とともに、その際のポイントを解説します。
キャラクターに反映できる自社の主な項目
以下に、自社の特徴を洗い出しに使用できる表を用意しました。各項目において「キャラクターに反映させたら、より自社ブランドのエンゲージメント向上につながるか」を検討しましょう。
項目 | 反映させる例 | 反映させるポイント |
---|---|---|
性別 | キャラクターの性別や属性を決定(男性・女性、中性的など) | ターゲット層やブランドイメージに合った性別・属性を選ぶことが大切です。 |
色(コーポレートカラー) | 企業のコーポレートカラーをキャラクターの色彩に活用する | ブランド認知向上のため、できるだけコーポレートカラーを活かし、一貫性を持たせると効果的です。 |
名前 | 企業のブランド名を反映させるなど、親しみやすく、覚えやすい名前を付ける | 発音しやすさやターゲットの言語文化を考慮しつつ、ポジティブなイメージの名前を検討しましょう。 |
キャラクターの性格や外見は、自社のブランド理念やメッセージと矛盾しないように設計しましょう。
オリジナルキャラクター制作に欠かせないクリエイターの選び方
公式キャラクターは、自社ブランドの印象を大きく左右します。そのため、公式キャラクター制作はクオリティにこだわる必要があります。理想の仕上がりを実現するには、信頼できるクリエイターを見極めることが大切です。
ここでは、クリエイターの選び方やよくあるトラブルの回避法をチェックリスト方式でまとめました。クリエイターを探す際の参考にしてください。
クリエイター選びに活用できるチェックリスト
クリエイター選びに活用できるチェックリストを用意しました。
チェック | 項目 | 確認内容 | 備考 |
---|---|---|---|
□ | 実績 | 過去に手がけた企業案件、SNS等での公開実績などがあるか | 企業・自治体との取引経験がある場合、信頼度が高いと判断しやすい |
□ | ポートフォリオ | テイスト・描写力・構図・色使いなどが一貫しているか | 一貫性があるほど、クオリティのブレが出にくい |
□ | 納期 | 希望スケジュールでの対応が可能か | 契約前のやり取りの返信スピードも遅くないか確認する |
□ | 料金 | 相場と比較して適切か明細や内訳の提示があるか | 相場より極端に安い場合は、クオリティや納期などにおいてリスクを抱える可能性が高い |
□ | オプション | 修正回数・追加パターン・著作権譲渡の有無など | 契約前にオプション内容を明示してもらい、不明点は事前に確認が必要 |
□ | AI判定 | 微細なディテールや複雑なパーツなどが正確に描写できているか | AIイラスト判別ツールなどを用いることも検討する |
□ | 過去トラブルの有無 | 「名前+炎上/トラブル」などを検索する | 納品トラブル・パクリ疑惑などの過去がないか事前に確認することで、のちのトラブル回避につながる |
トラブル回避のためのチェックポイント
個人クリエイターとSNSなどを通じてキャラクターデザイン作成を依頼すると、トラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。
例えば、「音信不通になった」「契約後に追加費用を請求された」「納期が守られない」などのトラブルが発生しやすい傾向があります。
こうしたトラブルを回避するために、以下のチェックポイントを利用することがおすすめです。クリエイターとの契約前に役立ててください。
□ 契約書を交わす(権利関係明記)
□ 修正回数や納期を明文化する
□ 商用利用・商標登録の可否を確認する
□ 依頼時にラフや参考画像で意思疎通をする
□ 自社ブランドやターゲットへの理解があるか確認する
オリジナルキャラクター制作に活用できる発注テンプレート
キャラクター制作を依頼する際は、費用・納期・権利関係のトラブルを防ぐために、事前に条件を明確にしておくことが重要です。のちにトラブルに巻き込まれると、時間や工数だけでなく、従業員が多大なストレスを抱えることになる可能性があります。
そのため、以下の項目をチェックリストとして活用し、抜け漏れのない発注を心がけましょう。
チェック | 項目 | チェックポイント | ポイント |
---|---|---|---|
□ | 納期 | 希望納期の指定納期遅延時の対応(事前連絡やペナルティなど) | 各フェーズ(ラフ・清書・修正)の期日を分けて設定するとスムーズです。 |
□ | 権利周り | 商用利用の可否著作権の譲渡または使用許諾二次利用・改変の可否 | 長期的な視点では、「著作権譲渡+改変可」がおすすめです。 |
□ | 修正回数 | 無料修正の回数追加修正の費用有無 | 修正回数を超えるときの料金も事前に合意しておきましょう。 |
□ | 納品データ形式 | 希望納品形式(PNG/PSD/AIなど)解像度/カラーモードの指定 | 印刷・WEB・動画など各用途に適した形式での納品を依頼しましょう。 |
□ | 追加制作費 | ポーズ/表情追加の料金将来の用途(グッズ化、スタンプなど)に伴う追加費用 | あらかじめ展開予定を伝えておくと、まとめた料金プランを提案してもらえる可能性があります。 |
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