地図アプリのナビゲーション機能を使って目的地に向かった経験は、誰でも一度はあるのではないでしょうか?このような位置情報を利用したサービスはたくさんあり、画像や動画でも活用が可能です。ただし、場合によっては危険を伴うため、注意しなければなりません。
今回は動画の位置情報について知りたい人に向けて、位置情報の仕組みやGPS機能の活用方法、情報をそのままにしておく危険性やその削除方法などについてご紹介します。
なぜ撮影場所がわかるのか?
スマホで撮った静止画や動画は、なぜ撮影場所がわかるのでしょうか?まずはその仕組みについてご紹介します。
位置情報の仕組み
スマホの位置情報には、異なる3点からの距離がわかれば自分の位置が把握できるという「三点測量」の技法が用いられています。地球の軌道上にはたくさんの衛星が存在しますが、そのうち地球の表側を飛んでいるのは4基です。
この4つの地点からの距離を衛星が教えてくれるため、受信機のスマホの位置がわかるという仕組みになっています。
写真や動画にはメタデータがある
写真や動画には「どのような設定で撮影したか」というメタデータが記録されています。GPS機能のあるカメラやスマホの場合、位置情報を記録する設定になっていると、そのデータに撮影地点の情報も追加されます。
位置情報を記録するかどうかは設定で変えられるので、気になる場合はチェックしてみると良いかもしれません。
多くのサービスで使われている
GPS機能による位置情報は、さまざまなサービスで利用されています。いま誰がどこにいるかがわかるため、サービス元はピンポイントでいろいろなものを訴求しやすくなりました。
たとえばGoogleマップや、すれ違い通信のできる人気ゲームなどは、この位置情報を活用したサービスの一つです。
GPS機能の活用方法
現在でも多数のサービスで使われているスマホのGPS機能ですが、個人で利用する場合はどのように活用できるのでしょうか?ここでは3つの活用法をご紹介しますので、参考にしてみてください。
いつどこで撮影したかわかる
GPS機能をONにしておくと、スマホで撮影した動画がいつどこで撮ったものかわかります。そのため、旅行などの思い出を素早く振り返りたいときにちょうど良いでしょう。たとえば「昔の旅行で撮った動画だが、どこの土地かわからなくなった」という場合にも役立ちます。
ファイル管理がしやすい
ビデオにデータが付随していると、ソートしたり検索したりしやすくなります。とくに動画制作者の場合は、日に日に増えていくファイルを管理するのは骨が折れる作業でしょう。
このとき位置情報を残しておくと、膨大なデータの中から目当てのものを手軽に探せます。また、同じ種類の動画に分けたいときなどにも便利です。
動画に地図情報を関連付けられる
サービスによっては、位置情報を関連付けて、動画から読み取れる情報を地図画面で管理できます。このようなサービスを利用すると、動画内で入ったカフェやデパートなどが地図上に表示され、直感的に場所の把握が可能です。動画に映っていた場所に行きたいといった視聴者のニーズにも応えられるでしょう。
そのままにしておくと危険!?
便利な位置情報ですが、機能をONにしたままだと危険な場合もあります。とくに気を付けたいのは、以下の3つのパターンです。実際に悪用された事例もあるので、注意したほうが良いでしょう。
自宅・職場・住所などが特定される
普段なにげなく撮影している動画ですが、自宅や近所が映っていると「どんな場所に住んでいるか」を特定されてしまう可能性があります。自分は有名ではないから大丈夫、と思う人もいるかもしれませんが、思わぬところからストーカーや誘拐などの事件に発展することもあるので注意が必要です。
機密情報が流出する可能性がある
ビジネスパーソンが取引先などで撮った写真を公開すると、そこから企業の機密情報やマーケティング活動が漏れる可能性もあります。現在では情報をデジタル管理する企業も多いので、このような情報漏洩にはとくに注意したほうが良いでしょう。
第三者によるトラブルにも注意!
動画販売サイトなどにアップロードした作品に位置情報が残っていると、第三者が利用した際、そこから個人情報が流出するおそれがあります。誰かに作品を渡したり、どこかに提供したりする場合は、位置情報を削除してから提出すると安心でしょう。
位置情報の削除方法はある?
便利な反面、危険性もある位置情報は、なるべく消しておきたいと考える人もいるかもしれません。位置情報を削除したい場合は、以下の方法をチェックしてみてください。
有名サービスは自動削除できる
Twitter、Facebook、LINE、Instagramなどの大手SNSや、はてなブログなどの有名ブログサービスでは、アップロード時に自動的に情報が削除されるようになっています。
なるべくアップロード前に不要な情報は削除しておいたほうが良いですが、サービスによってはこのような機能があることも知っておくと便利でしょう。
スマホのプライバシー設定をオフにする
もっとも安全なのは、そもそも最初から位置情報を残さないようにスマホの設定を変えておく方法です。プライバシー設定をオフにすれば、アプリに位置情報を記録しない形に変えられます。
詳しい設定方法は使用OSによって異なるため、一度チェックしておくと安心かもしれません。
カメラアプリから位置情報を削除する
撮影する写真アプリの設定から、位置情報を削除することも可能です。撮影前にアプリの設定を確認しておくと良いでしょう。
なお、撮影済みのものは削除専用アプリで消せますが、動画対応のものはまだまだ少ないです。
Googleフォトを利用している場合は、データから個別に位置情報を削除できるので、一度Googleフォトを通してから共有やアップロードをするのも一つの手でしょう。
まとめ
動画の位置情報は、うまく使えばデータ整理などに役立ちます。継続的に動画制作をする場合は、便利な機能といえるでしょう。ただし場合によっては悪用される恐れもあるので、投稿したり誰かにデータを渡したりするときは注意したほうが良いかもしれません。
位置情報は後からでも編集や削除ができますが、動画の場合は対応アプリが少ないのが現状です。トラブルが起こらないように注意しましょう!