手間をかけて動画を制作するなら、画面や音声にもこだわりたいものです。しかし動画撮影や編集中には、意図しないノイズが入り込むことも多々あります。
このようなときに便利なのがノイズ除去という機能です。ただしノイズにはさまざまな種類があるので、各ノイズに対応した除去機能を使う必要があります。
今回は動画からノイズ除去したい方に向けて、ノイズの種類や、ノイズを抑える方法、ノイズ除去におすすめのアプリ&ソフトをご紹介します。
ノイズの種類とは?
動画のノイズには、「映像ノイズ」と「音声ノイズ」の2種類があります。ここでは、注意しておきたい主なノイズについてご紹介します。
映像ノイズ
- フリッカー:輝度が変動して画像がチラついて見えるノイズ
- ブロック:モザイクのようなブロック状のノイズ
- モスキート:蚊が飛び回るように見える色化けのノイズ
「フリッカー」はシャッタースピードの問題で起こり、周波数に合わせて点灯と消灯を繰り返す蛍光灯に影響されることがあります。
「ブロック」は低ビットレートで激しい動きを再生しようとして失敗すると表示されるノイズです。画面がブロック単位で構成されているため、形状がブロックになっています。
「モスキート」は激しく色が変化する場所や、人と背景の境界などで起こる細かい色化けです。ビットレートが低い状態で高圧縮すると起きやすくなります。
音声ノイズ
- ホワイトノイズ、ヒスノイズ:サーッというノイズ音
- 風音:風の音
「ホワイトノイズ」「ヒスノイズ」はマイクで録音したときに入る高周波音で、アナログ機器を通した場合に発生しやすく、映像全体に広がります。
「風音」も似ていますが、こちらは低周波音です。
ノイズを抑えるコツ&ポイント
いつの間にか入ってしまうことも多いノイズですが、どのようにすれば発生を抑えられるでしょうか?ノイズを抑えるコツとポイントを3つご紹介します。
撮影と編集時の設定をチェックする
ノイズの種類によって対処法は異なりますが、たとえばフリッカーならシャッタースピードを、モスキートならフレームレートを変更することでノイズを抑えられます。
撮影や編集時の設定によってノイズが発生する可能性があるため、まずは設定をしっかりチェックしましょう。
性能の高い機器を準備する
ノイズが入りにくい高性能のマイクを買うのもおすすめです。カメラとの相性によりノイズに差が出てくることもあるため、マイクと相性の良いカメラを購入するのも一つの手でしょう。
現在使用している機器の雑音や音割れがひどい場合は、機器の新調も検討してみると良いかもしれません。
撮影環境を整える
マイクはパソコンの動作音や冷蔵庫・エアコンなどの駆動音も拾ってしまいます。撮影前はできるだけ電源を切っておきましょう。なるべく家電の近くでは撮影しないようにするのがポイントです。
環境的に難しい場合は、大きく発声し、全体の音量を下げてノイズを小さくすると良いかもしれません。
スマホユーザー向けおすすめアプリ
どうしてもノイズが入ってしまう場合は、動画編集ソフトなどでノイズを除去できます。ここでは音声ノイズを消したい人におすすめのアプリを2つご紹介します。
AudioFix
動画音声の改良、抽出、消音、ボリューム調整などができるアプリです。動画をインポートするだけですぐに音をクリアにできるので便利でしょう。
11個のフィルタを使って音をキレイにできるほか、風音やヒス音の除去、オリジナル音源との比較なども可能です。
外部サイトへ:AudioFix(iOS)
外部サイトへ:AudioFix(Android)
Denoise – audio noise removal
マイクなしでプロのサウンドを作れるアプリです。映像のバックグラウンドノイズなど邪魔な音を高品質で除去できます。プロが撮影したような音を実現できるため、本格的にノイズ除去したい人にちょうど良いでしょう。
有料アプリですが、透かしなどが入らず安心して利用できます。
外部サイトへ:Denoise – audio noise removal
パソコンユーザー向けおすすめソフト
パソコンで作業する人に向けて、ノイズ除去ができるパソコン用ソフトもご紹介します。パソコンを利用している場合はこちらをチェックしてみてください。
FonePaw スーパーメディア変換
動画変換ソフトですが、ノイズ除去や手ブレ修正にも対応しています。いくつかのボタンをクリックするだけで簡単に画面や音声のノイズを消せるので便利でしょう。難しい動画編集スキルは必要ないので初心者にもおすすめです。
Windows版とMac版が用意されており、基本はシェアウェアですが無料体験版もあります。
外部サイトへ:FonePaw スーパーメディア変換
Area61 ビデオレタッチ
さまざまな動画レタッチができるソフトです。ノイズ除去、インターレース解除、グレースケール化、色反転、2値化、線画、モザイク、反転、無音化、色温度・コントラスト・彩度の補正など、さまざまな編集機能が搭載されています。
同時に複数のレタッチを施すことも可能です。ノイズ除去については精度が高く、初心者でも簡単に操作できるため安心でしょう。
対応OSはWindowsです。
外部サイトへ:Area61 ビデオレタッチ
まとめ
気づかないうちに入り込んでいるノイズは、動画制作者にとって頭の痛い問題でしょう。しかしこのようなノイズは、設定や環境の見直しで軽減できるうえ、アプリやソフトを使えば簡単に除去できます。
撮影時にあらかじめノイズが入らないように配慮することが大切ですが、どうしてもノイズが入ってしまった場合は、編集処理でキレイに整えれば問題ありません。
うまくノイズを消して、すっきりしたクリアな動画を作っていきましょう!