個人でも企業でも、クオリティの高いイラストが欲しい時は、絵師(イラストレーター)に制作を依頼することになりますよね。
しかし、特に個人から個人へ依頼するとなると、方法が分からなかったり絵師と直接のやり取りに不安があったりする人も多いはず。
今回の記事では、絵師(イラストレーター)に絵を依頼する方法と、その際のマナーなどについてご紹介していきます!
個人で依頼する方法
「イラスト制作は、会社や企業でしか依頼できないのでは?」と考えている人もいるかもしれません。
しかし実際には、個人からでも絵師に依頼することができます。
それでは、個人での依頼方法をいくつかご紹介しましょう。
個人サイトで依頼
多くの人に作品を見てもらえるよう、大抵の絵師は作品投稿用の個人サイトを持っています。
サイト内に「お仕事受付中です」「仕事の相談はメールでお願いします」などの表記があれば、メッセージを送った際に良い返事をもらえる可能性が高くなります。
SNSで依頼
最近ではTwitter、InstagramなどのSNS上にイラストや漫画をアップし、宣伝として活用する絵師が増えています。
誰でも気軽に交流できるため、絵師にメッセージを送る敷居は低いですが、そのぶんメッセージの内容がラフになりやすいというデメリットも。
知人に依頼
最も気軽に依頼しやすいのは、友人や知人など、既に交流のある絵師なのではないでしょうか。
仕事を欲しがっている絵師は少なくありませんので、相手の状況を見て勇気を出して相談してみるのもいいでしょう。
ただし、「友達だからサービスしてよ!」と無料や安すぎる価格設定で頼むと、友人関係に亀裂が入ってしまうかもしれません。
友人、知人だからこそ、金銭まわりのことをきっちりする、相応の対価を支払うという意識を持つことをおすすめします。
くれぐれも気をつけるようにしてくださいね。
コミッションサイトで依頼
個人でイラストレーターにお金を払って絵を依頼する「イラストコミッション」。
元々は海外の文化で、
「あなたの作風で、こんなイラストを描いてほしいです!」という依頼を受け、オーダーメイドのイラストを作成する文化ですが、
近年は日本国内でもコミッション専門のサイトができコミッションという言葉も浸透してきて、少しずつ盛んになってきています。
絵師探しや金銭のやりとりをサポートしてくれる「コミッションサイト」には、趣味で絵を描くアマチュア絵描きからフリーランスのプロイラストレーターまで様々な層の絵師がおり、依頼を受け付けています。
いきなり個人で交渉を成功させることに不安があれば、ここで依頼者としての経験を積んでみるのも良いかもしれません。
コミッションサイトなら、気軽に始めることができてお金のやりとりを仲介してくれるSKIMAがおすすめです。
コミッションについて、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
→【コミッションって何?お金を払ってイラストをもらう?】
安全に依頼するには?
ここまで依頼する方法についてご紹介してきましたが、タイミングや相手によっては依頼を断られたり、返事がなかなか来なかったりすることも……。
そこで、安全に依頼するために気をつけたいポイントをいくつかご紹介していきます。
相手のことを知る
絵師に依頼をする場合、大切なのは事前に相手を知ることです。
- どんな絵を描く人か
- 期日までに絵を仕上げられるか
- 音信不通にならず、こまめに連絡が取れるか
など、事前によく調べた上で依頼しましょう。
コミッションサイトなら絵師の依頼実績やクライアントからの評価が公開されていますので、そちらを確認すればある程度の判断はできるはずです。
他の依頼状況を確認
人気の絵師には、既に依頼が殺到していることが考えられます。
絵師の手が空くまで待つことになりますので、依頼したものがなかなか出来上がらない可能性があります。最悪の場合、依頼メールが流れて忘れられてしまうことも。
忙しそうな絵師に依頼をする時は、まずは受注が可能かどうか聞いてみるのも一つの方法です。
価格を確認
重要なのが価格の問題です。
イラストの値段は一定ではなく、絵師のレベルや依頼内容によって大きく変わるもの。
予算との折り合いをつけるため、まずは絵師が提示している絵の価格を確認しましょう。
自分の予算を先に提示して交渉を始めることもできますが、依頼の経験が浅いうちは、相手の提示する料金表に合わせるのが無難です。
依頼内容をしっかり準備しておく
依頼するイラストについて、全体のイメージ、使用するシーン、画像サイズや解像度、著作権譲渡の有無などを完結に提示できるよう、あらかじめ準備しておくことが大切です。
また、イメージの参考として写真や図などを用意しておくと、話がスムーズに進みやすくなります。
では、具体的な取引の進め方や依頼時のマナーについてご紹介していきます。
取引の進め方
ここからは、実際の取引の大まかな流れを一例としてご紹介していきます。
1:絵師に依頼する
メールやメッセージ機能などから、絵師に依頼をします。
この際に、個人鑑賞や商用利用といったイラストの使用用途や目的、金額や支払い、納期の相談、イラストをどんなシーンで使いたいかなどを伝え、相手が了承すれば交渉成立となります。
2:ヒアリング
作業をお願いする前に、絵師に細かい要望を伝えます。
- 黒髪の女子高生が、こちらを振り返って微笑んでいる
- アニメ塗り
- 背景は学校の屋上、夕焼けが見える、季節は夏
- 制服のデザインや構図は絵師さんにおまかせ
など、既にイメージが固まっている部分は明確に伝えていきましょう。
参考画像や写真、資料などがあれば、渡しておくとスムーズです。
3:ラフ画の修正&確認
ヒアリングで伝えた情報をもとに、絵師が全体の大まかなイメージを描いたラフ画を作成してくれます。
依頼側はラフ画が自分のイメージと合っているか確認し、修正してほしい点があれば伝えます。
完成が近づいた段階で大きな修正を頼むと絵師の負担が大きくなるため、やり直しの効くラフ画の内に何度か相談し、絵師と協力して完成品のイメージを固めていきます。
4:完成・最終確認
ラフ画にOKを出すと、絵師が引き続き完成に向けて作業を進めていきます。
線画や下塗りなどの途中経過は、こまめに確認する人もいれば完全に絵師任せにする人もいます。
しかし確認を挟みすぎれば完成が遅くなりますし、逆に絵師に任せきりにすると想定外のものが出来上がってしまうことも。
相手の絵師との相性や、イメージの伝わり具合によって臨機応変に対応することが大切です。
イラストが仕上げまで完成したら最終確認をし、修正点や追加してほしい点があれば伝えましょう。
ただし、あまりに大幅な変更や多すぎる修正には追加料金が発生する可能性もありますし、あまり心象が良いとは言えないので注意しましょう。
5:納品
完成品のクオリティに納得がいけば、絵師がイラストのデータを納品して取引完了です。
間違いなく指定通りのサイズ、保存形式になっているかなど、細かいチェックは忘れずに行ってくださいね。
6:支払い
納品をしてもらってから全額支払う、半額だけ先払いして納品後に残りを支払うなど、支払い方法はさまざま。
支払いに関してはトラブルが起きやすいので、どんな方法で支払うか、事前に絵師さんと相談をして決めておくことが重要です。
また、「振り込んだのに納品されない」というケースも、悲しいことですが存在します。
よほど信頼できる絵師でない限り、全額先払いすることは避けた方が良いでしょう。
依頼時のマナー
いくらお金を払っているとはいえ、作品を作ってもらうからには守るべきマナーというものがあります。
以下からご紹介しますので、実際に依頼をする前に確認しておいてくださいね。
完成間近で大きな修正を依頼しない
絵師から送られてきたラフ画に注文を出し、修正してもらうのは普通のこと。
しかし、作品がほとんど完成してから大幅な修正を依頼するのはマナー違反です。
修正してほしい箇所は、ラフの時点でしっかりと伝えておきましょう。
参考資料と同じものを依頼しない
イラストの参考として、写真や画像を送るとイメージが伝わりやすくなるのはご紹介してきた通り。
しかし、「資料のイラストと全く同じように描いてほしい」と依頼すると、模倣作品を作成したとして著作権法に触れる場合があります。
資料はあくまでも絵の参考程度にしてもらい、細かいニュアンスは自分の言葉や図で伝えましょう。
まとめ
今回の内容について、簡単にまとめました。
- 個人サイトやSNS、コミッションサイトなどから、絵師にイラストを依頼できる
- 相手がどんな人物か、提示金額は予算に合っているかなどを事前に確認すると安全に依頼しやすい
- 後になってイラストの大きな修正を依頼したり、模倣作品の制作を依頼したりするのはマナー違反
自分の中にあるイラストの完成イメージをそのまま相手に伝えることは、なかなか難しいことかもしれません。
しかし、絵師と試行錯誤しながら話し合うほどに作品は良くなり、より完成度が高くなっていくもの。
相手への礼儀や感謝を忘れずに、より良い依頼ができるよう経験を積んでみてください。