芸術や絵に興味がある方なら、一度は有名アーティストやイラストレーターの展示を見た経験があるのではないでしょうか。
しかし、展示は有名アーティストのためだけのものではありません。
見せたい作品があれば、誰でも展示会を開催できます。
今回の記事では、イラストを展示する方法と、綺麗に展示するポイントについてご紹介していきます。
イラストの展示は意外とハードルが低い
「作品の展示」というと、有名画家の作品を集めた期間限定の企画展や、人気漫画家の原画展、複数のイラストレーターによる展示イベントなどが思い浮かぶかもしれませんね。
しかし、「有名アーティストでなければ展示ができない」というわけではありません。
■作品があれば誰でも「展示会」を開ける
作品を作るすべての人が、自分の作品を展示する機会があります。
駆け出しの画家が、自分を売り込むために展示を開く場合もあれば、趣味でイラストを描いている人が、趣味で個展を開く場合もあり、その形態はさまざま。
展示経験が少なく来場者数に不安がある人には、数人で開く「グループ展」、展示を見に来る人数がある程度見込める人には、個人で開く「個展」が向いています。
展示会を開くメリット
今の時代、ネット上にアップロードするだけで、多くの人にイラストを公開できます。
展示よりも手軽なだけではなく、単純に見てくれる人の数も、ネット公開をした場合のほうが多いかもしれません。
そんな中で展示会を開くメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
■アナログ作品の原画を見せられる
水彩画やペン画など、作品がアナログイラストの場合、展示会で原画を見せられます。
画像加工がされておらず、印刷による劣化もない原画を公開できる機会は、展示以外にはなかなかありません。
原画のないデジタルイラストなら、作業工程やラフ、色彩の別パターン案など、ネット上では公開していないものを展示するのもいいですね。
■デジタル作品を普段と違った形で見せられる
人の背よりも大きな油絵や、壁一面を覆い尽くすような大きさの日本画などは、非常に迫力があるもの。
デジタルイラストも大きく印刷して展示すれば、画面の中で見るのとは、また違った迫力が出てきます。
細かい部分まで作品を見てもらいやすくなるため、細部まで緻密に描き込むタイプの絵師さんにとっては、とくにオススメの方法です。
■訪れた人の感想が聞ける
展示会の大きなメリットは、なんといっても、展示会に訪れた人の感想が聞けること。
展示会に来てくれるのは、作品を気に入ってくれている人や、展示に興味を持った人がほとんどです。大抵の場合、嬉しい感想を多くもらえるでしょう。
他のイラストレーターやアーティストと出会える
展示会で出会ったのが縁で、他のイラストレーターやアーティストと知り合うこともあるかもしれません。
貴重な交流の場になるので、チャンスがあれば、作品や展示について話をしてみてください。
展示会の開き方
ここからは、ギャラリーを予約し、展示会を開く方法をご紹介していきます。
1:ギャラリーを探す
展示会を開くためには、レンタルギャラリーを借りる必要があります。
スペースの広さや、作品との相性などを考えながら、ネットで探すといいでしょう。
ここでのチェックポイントは、ギャラリーの場所。
多くの人に作品を見てもらうには、パッと見てわかりやすく、入りやすい場所にあるギャラリーを選ぶのが大切です。
2:気になるギャラリーの下見をする
気になるギャラリーを見つけたら、すぐに予約せず、下見に行くのがオススメです。
とくにギャラリーの広さは、写真を見ただけでは正確にわからないもの。
想像よりも狭ければ、展示する作品を選び直す必要が出てきますし、想像以上に広いと、作品数が足りず、スカスカな空間になってしまうことも……。
また、使える機材や照明の位置、数なども、下見の際に確認しておきましょう。
3:予約する
下見をして問題がなければ、予約をします。
ギャラリーによって予約方法は異なりますが、Webサイトから予約できる場合が多くなっています。
予約時には、スタッフから展示する作品の傾向を聞かれる可能性があるので、作品の種類や数、サイズなどについて、しっかりと答えられるようにしておいてくださいね。
4:料金を支払う
支払い方法は、ギャラリーによってさまざまな方法があります。
最初に半額を支払うシステムのギャラリーもあるので、予約時によく確認してください。
急な予定が入る可能性もあるので、キャンセル料のチェックも忘れずに行いましょう。
綺麗に展示するポイント紹介
ここからは、作品を魅力的に展示するポイントをいくつかご紹介します。
■展示のテーマを考える
個人展でもグループ展でも、展示全体の”テーマ”を決めると、作品や空間に統一感が出やすくなります。
とくにグループ展を開く場合は、個人の作風の違いがあるため、テーマの有無がかなり重要になってきます。
■見やすいレイアウトを心がける
作品を展示する上で、お客様にとって見やすいレイアウトを心がけることも大切です。
作品の位置を見やすい高さに揃える、作品同士の間隔を揃えるなど、見やすい配置を心がけましょう。
「あえて作品を綺麗に並べず、ラフに展示したい」「あえて見づらく設置することに意味がある」といったこだわりがあるなら、それを貫くのもいいかもしれません。
ですが、作品自体をじっくり見てほしいのであれば、なるべく見やすいレイアウトにするのが親切。
また、初めて展示会を開く場合や、展示方法に悩んでしまった時は、他の展示会を見て参考にするといいかもしれません。
まとめ
最後に、今回の内容について、簡単にまとめました。
- 展示会は作品の形態や、知名度の高さに関係なく、誰でも行える
- 展示会では、ネットで公開するのとは違った作品の見せ方ができる、見に来た人の生の反応が見られるなどのメリットがある
- サイトから手軽に予約できるギャラリーが多いが、即決せず、一度下見をした方が無難
- テーマを決め、ギャラリー全体のレイアウトを揃えると、統一感があり、見やすい展示になる
展示会は、自分の作品を公開し、見に来た人と交流もできる貴重な場。
公開できる作品がいくつかあれば、いつでも開催できる気軽さもあります。
個展を開くのに不安があれば、展示経験者や友人に相談し、グループ展を開くのも一つの手段。
今回ご紹介した内容を参考に、展示会の開催を考えてみてはいかがでしょうか?