“ポートフォリオ”とは、自分の作品や活動内容をファイルや冊子にまとめたもの。
イラストレーターやグラフィックデザイナーの就職活動には欠かせない、重要なアイテムとなっています。
せっかくポートフォリオを作るなら、評価につながるように仕上げたいところですが、
クオリティの高いものを完成させるのはなかなか難しいですよね。
今回の記事では、ポートフォリオをより良く見せる方法についてご紹介していきます!
ポートフォリオにこだわる意味とは?
イラスト・デザイン関係の仕事で必要になるポートフォリオ。
まずは、ポートフォリオを作り込む重要性についてご紹介します。
就職、営業のポイントになる
イラスト・デザイン系の業界に就職する際は、ポートフォリオの提出を求められる場合がほとんどです。
つまり合否を判断する材料として、履歴書と同等か、もしくはそれ以上に重視されているということ。
そのため、ポートフォリオは適当に仕上げず、自分で納得のいくクオリティまで作り込んだほうが有利になります。
採用担当者の目にとまりやすい
デザイン企業の採用担当者や出版社の編集者などは、仕事上、かなりの数のポートフォリオを見てきているでしょう。
採用担当者に強い印象を与え、評価してもらうためには、細部までこだわったポートフォリオの作成が必要になります。
評価されやすい3つの要素を紹介
「完成度の高いポートフォリオ」、と言葉にするのは簡単ですが、実際に作るのはそう簡単ではありません。
ここからは、ポートフォリオに入れると評価されやすい要素について、ご紹介します。
作風や全体のデザインとの兼ね合いもあるため、様子を見ながら盛り込んでみてください。
仕事や依頼で描いたイラストを盛り込む
企業が求めているのは、仕事で戦力になるクリエイター。
もし仕事やアルバイトなどで、誰かの依頼に沿って描いた作品があれば、実務経験や仕事への取り組み方をアピールするチャンスになります。
案件内容を簡単に書き添えておきましょう。
ただし、案件によっては実績公開NGとされている場合もあるので、必ず契約内容を確認してから載せてくださいね。
テーマやコンセプトがわかる作品を載せる
仕事でイラストやデザインを任される場合、クライアントから届いたコンセプトや注文に応えて制作する場合がほとんど。
自分で決めたものでもいいので、テーマやコンセプトに沿って作った作品があれば、ポートフォリオに載せておくといいでしょう。
どんなテーマで作品を制作したのか、解説を添えるとわかりやすいですね。
制作途中のラフ、別パターン付きのイラストでアピール
クオリティの高い一枚絵には、迫力と説得力があります。
それだけでも十分に作品の魅力は伝えられますが、企業によっては制作過程の詳細が求められることも。
作品のラフやデザイン案、色差分などを、完成作品とセットで載せるといいかもしれません。
面接のときに効果的な、ポートフォリオの見せ方とは?
ここからは、面接時に効果的なポートフォリオの見せ方についてご紹介していきます。
送付するなら解説付き、面接時に見せるなら作品重視
ポートフォリオを見せるシーンは、大きく分けると、
- 郵送、メールなどで送付する
- 面接時にポートフォリオを持参する
の2パターンがあります。
郵送する場合、口頭で作品の解説や補足ができません。
この場合はポートフォリオ一冊ですべてを伝えきれるよう、作品情報を多めに入れると親切ですし、自身の評価につながります。
面接に持ち込む場合、作品を見せながら会話できるため、必ずしもしっかりとした説明は必要ないかもしれません。
代わりに見せたい(その場で解説したい)作品を絞る、作品の見やすさを重視するなどの工夫をすると、限られた時間内でも落ち着いて対応しやすくなります。
持ち運べるなら原画を持ち込む
持ち運べるサイズの原画があれば、ポートフォリオと一緒に見せるのも効果的です。
ただし、バラバラの状態の作品を大量に持ち込みすぎるのは、見る側に不親切ですし、持ち運ぶのもひと苦労。
「実物を使う」というインパクトを最大限に利用するためにも、持ち込むのは「これはしっかり見せておきたい」という自信のある作品や、印刷では作品の魅力を伝えきれないと判断した作品に絞っておきましょう。
WEBポートフォリオを活用するという方法
デジタルイラストは、画面上での見え方を意識して描く機会が多くなっています。
せっかくなら、もっとも綺麗に見えるパソコンやスマホ上で見せたい、と考える人も多いのではないでしょうか。
そんな時には、Web上にポートフォリオを用意し、面接時にiPadやノートパソコンを使って見せるという方法もあります。
ゲーム会社やアニメ制作会社などに提出するポートフォリオであれば、より画面上での見え方が重視されるようです。
ヒントを得て作品を選ぶ
ポートフォリオの内容や見せ方についてご紹介してきましたが、会社によって効果が出るかどうかはそれぞれかもしれません。
受けたい会社について把握し、理解を深めれば、ポートフォリオ作りのヒントになってくれますよ。
面接を受ける会社についてよく知る
よく、”就職活動は恋愛のようなもの”と例えられます。
表面的にしか知らない相手に告白しても成功率が低いように、
どんな会社かいまいち知らないまま面接を受ければ、フラれてしまう確立が高くなるもの。
ポートフォリオを作る前に、会社の制作物やWebサイトを確認し、会社についての理解を深めておきましょう。
事前に会社へ足を運ぶ
クリエイターを扱う会社の中には、コミックマーケットや東京ゲームショウなどの、イベントに参加をしているところも。
もし面接を受けたいと思う会社がそうしたイベントに参加しているなら、足を運んでみると参考になるかもしれません。
企業に合った作品を用意する
企業で作っているもの、企業の求めているものに合わせた作品を用意すれば、採用される確立は高くなるでしょう。
しかし、自分の作風と正反対の作品ばかり用意するのは、あまり気乗りしないもの。
自分に向いていないものばかり求められ、作るのは辛いことです。
企業に合わせるのも大切ですが、「自分に合った企業を見つける」のも同じくらい大切なこと。
「この企業の作るものが好き」と思えるのであれば、自分の作品のテイストを合わせるのにも、苦労は少ないと考えられますね。
まとめ
最後に、今回の内容について簡単にまとめました。
- ポートフォリオはイラスト、デザイン系の会社に採用されるための必須アイテム
- 仕事や依頼で作った作品、テーマやコンセプトのわかる作品、ラフやデザイン案付きの作品などを盛り込むと、評価につながる可能性が高い
- じっくり見てもらいたい作品は原画を用意する、デジタルイラストはiPadやノートパソコンで見せるなど、見せ方の工夫をするとより効果的
- ポートフォリオに求められるものは会社によって違うので、会社のことをよく理解し、ポートフォリオの内容を変える
記事内でご紹介した方法の他に、新しいポートフォリオの見せ方が今後増える可能性もあります。
自分の作品に合ったポートフォリオや見せ方を研究してみるのも一つの手段。
今回はポートフォリオに入れるイラストの選び方や、見せ方についてご紹介しました。
ポートフォリオ自体の構成について知りたい方は、コチラの記事に詳しく解説していますので、合わせてご参照ください!
→『【ポートフォリオ】どんな内容にすればいい?仕事につながる作り方』