動画を作るときは撮影や編集で気をつけたい点がたくさんありますが、そのうちの一つが「画角」です。
写真や映像が好きな人なら、一度はこの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
画角とは一体どんなものなのでしょうか。
また、意識して撮影や編集を行うとどんなメリットが得られるのでしょうか。
ここでは画角にかかわるレンズの種類や、撮影や編集時の利点についてご紹介します。
画角とは?
画角とは、カメラ撮影をしたときに実際に写る範囲を角度で表したものです。視野と区別なく使われることもあり、視野角とも言われています。
動画においては「画角=アスペクト比」として説明されることも多いです。
被写体を撮影するレンズの種類によって、画角は広くなったり狭くなったりします。
補正機能が搭載されている機器もありますが、被写体にあわせて撮影範囲設定を変更するのが基本となります。
一般的には、画角が約60度以上=広角レンズ、45度前後=標準レンズ、約30度以下=望遠レンズと呼ばれています。
レンズの種類と画角の違い
被写体によってカメラレンズを交換したり撮影モードを変えたりすると表現の幅が広がります。
ここではレンズの種類と画角の違いについてご紹介します。
標準レンズ
人の視覚と画角がよく似ているため、どんな被写体も撮影できます。目で見ているのとほとんど変わらない風景を撮影できるのが特徴です。
オールマイティに撮影できるので、初心者におすすめのレンズといえるでしょう。
望遠レンズ
遠くの被写体を大きく撮影したいときに役立つのが望遠レンズです。画角が狭くピントの合う範囲が小さいため、被写体を目立たせて背景をぼかすことができます。
画面に写る背景の範囲も少ないので、臨場感や迫力を出したいときに良いでしょう。
広角レンズ
広角レンズは画角が広くピントの合う範囲も大きいため、細かい部分まできれいに撮影できます。空間の広さを伝えたいときや奥行きを出したいときに最適です。
自動的に遠近感を出せるので、距離感をうまく演出したいときにも良いでしょう。
意識して撮影するメリットとは?
撮影時に画角を意識すると、どんなメリットがあるのでしょうか?
ここでは2つの利点をご紹介します。
人物がキレイに撮れる
人物を中心に撮影する場合は標準レンズがおすすめです。
被写体の正面から撮ることで、歪みのないきれいな仕上がりになります。
標準以上の望遠レンズなどを使うと、アップは上手く撮れても、ピントが合わせ辛かったり手ブレが目立ったりします。
人物をアピールする場合は、標準レンズを使ってきれいに仕上げていきましょう。
躍動感をプラスできる
ズームレンズを利用すると手軽に画角を変えられます。とても便利な機能ですが、ワンランク上を目指すなら、さらにひと手間加えるといいでしょう。
ズーム機能にプラスして自らも被写体に寄ってみると、躍動感のある映像が撮れます。
迫力やリアル感を出したいときは、レンズの機能にプラスしてそうしてみるのもおすすめです。
意識して編集するメリットとは?
画角を意識するメリットは、撮影時だけではなく編集時にもあります。編集する際にはどのような利点があるのでしょうか?
余白をカットできる
画角=アスペクト比として捉えた場合、素材と動画の画角が違うと黒枠ができます。
たとえば画面サイズ16:9の動画に、4:3の比率の素材を表示させたらどうでしょうか。
この場合、左右のスペースが余ってしまいます。もちろん違う比率の素材を混在させることも可能ですが、シーンによって余白ができたりできなかったりすると、統一感がなく視聴者にとって見づらい映像になってしまいます。
編集時に画角を意識すると、このような余白をうまく省けます。
ただし、場合によってはこの余白をうまく利用するのも一つの手かもしれません。
独自のストーリーを作れる
写真や動画は撮影したレンズによって仕上がりが違います。
さまざまな画角のカットをうまく並べて編集すると、動画独自のストーリーを作り出せて良いでしょう。
たとえば表情を見せたいときはアップを使い、躍動感を出したいときはズームを使うなど、工夫して並び変えるだけで映画やドキュメンタリーのように記録できます。
どんなカットが必要かを頭に入れておくと、ほかの動画にはない強みをもったムービーが作れるでしょう。
まとめ
画角によって動画の雰囲気はだいぶ変わります。
イメージ通りの動画を作るためには、適切な画角で撮影や編集をするのがポイントです。
また、視聴者側の見やすさを考慮するのも大切でしょう。
シーンによって機器の撮影設定を変えたり、カットをうまく並べ替えたりすれば、より良い動画が制作できます。
画角による効果をマスターして、素敵な動画を作りましょう!