動画制作には撮影から編集までさまざまなテクニックが使われています。
その中でも特に細かい作業が「レタッチ」でしょう。レタッチという言葉は写真などの静止画で耳にしますが、動画制作でも使われます。
動画でのレタッチとはどのようなものなのでしょうか?
動画レタッチについて知りたい人に向けて、メリットやよく使われる機能、おすすめソフトなどについてご紹介します。
そもそもレタッチとは?
初めて動画制作をする人の中には、レタッチ自体を知らない人もいるかもしれません。そもそもレタッチとは何なのでしょうか?
画像の加工をする作業
レタッチとは、画像のカラー補正、汚れ除去、合成といった修整・加工作業です。
以前は写真の物理的な加工・修正作業を表しましたが、現在ではPCによる画像データ加工を示す言葉になっています。
商業系の写真や動画の多くは、専用ソフトでレタッチされているのが現状です。
4Kの登場でレタッチの需要は増加中
テレビやPCの画質は年々向上しており、近年では4Kも登場しました。
4Kは細部までくっきり映るのが特徴で、人物の肌なら質感も分かるほどです。
肌をキレイに見せたい場合、必要以上に見えることもあるためレタッチ需要は高まっています。技術についても、より高度なものが求められています。
レタッチは必要?3つのメリット
レタッチはすべての動画に必要なわけではありません。
しかしその作業を行うことで多くの利点があります。
ここではムービーレタッチのメリットを3つご紹介します。
肌をキレイに見せられる
肌を美しく見せたいときに効果的です。
芸能人ではないのでそこまで必要ないという場合でも、シミやしわを消すだけで若々しく澄んだ印象になり、動画そのものが好印象になるでしょう。
メイク・ファッション関係の動画におすすめです。
不要な人物を消去できる
動画撮影の際は、被写体の背後に人が映り込んでしまうこともあります。
レタッチでは、必要に応じて不要な人物を簡単に消去できます。視聴者が被写体に集中できるように、不要な情報は消しておくのがおすすめです。
企業ロゴを置き換えられる
商標登録されたブランドが映り込んでいる場合は、ロゴを消去したりほかのロゴに置き換えたりできます。
著作権に関わるものはそのまま配信できないので、企業ロゴなどはレタッチで対処しておくと安心でしょう。
レタッチ方法をマスターしよう!
便利なレタッチですが、初めての場合はどのようにファイルを操作すれば良いか分かりづらいでしょう。
レタッチでよく使われる機能をいくつかご紹介しますので、ぜひ試してみてください。
簡単操作の「明るさ・コントラスト」
「明るさ」「コントラスト」の2点のみを調整する方法で、写真全体が暗い場合などにおすすめです。
細かい変更はできませんが、おおまかに光を調整したいときに良いでしょう。一番簡単な補正方法なので覚えておくと便利です。
美白効果なら「トーンカーブ」
トーンカーブは画像の階調(色の濃淡の変化)を補正するツールです。階調が多いほど滑らかな色合いを表現できます。
RGBを個別に調整できるため、特定の色味だけ引き出したいときに便利です。肌の透明感を出したいときや、服を鮮やかに見せたいときに丁度良いでしょう。
輪郭変更には「ゆがみ」のフィルタ
顔の輪郭を変えたり体をシェイプさせたりするときは、フィルタ機能の「ゆがみ」がおすすめです。
ブラシサイズを大きめに設定して少しずつ輪郭を歪ませていくと、うまく輪郭調整できます。かなり根気が必要ですが、少しずつなので大幅な失敗はないでしょう。
動画レタッチにおすすめのソフト
補正機能が搭載されていれば、どんなソフトでもレタッチは可能です。
その中でも動画レタッチに合ったソフトを2つご紹介します。
Adobe Photoshop
レタッチソフトとして世界的に有名なのがPhotoshopです。
このソフトは静止画などの写真レタッチが主ですが、実は短いビデオ編集も可能です。
もともとレタッチに特化したソフトなのでフィルタなどの機能も多く、満足のいく仕上がりになるでしょう。
外部サイトへ:Adobe Photoshop
Adobe After Effects
映像編集、CM制作、アニメ・ゲームのコンテンツ制作などに利用されるソフトです。
エフェクト機能が多く、色の補正やイメージ変形なども可能です。スキンレタッチ用のプラグインもあるので、好きなものを追加してカスタマイズできます。
「コンテンツに応じた塗りつぶし」機能を使えば、映り込んではいけないものも簡単に消去可能です。
外部サイトへ:Adobe After Effects
まとめ
プロの現場でも行われている動画レタッチ。
通常の動画制作では必要以上に肌を綺麗にする必要はありませんが、人物やロゴの消去といった部分でレタッチは活躍します。
今回ご紹介したレタッチソフトはともにライセンス登録が必要ですが、体験版も用意されているので試しに利用してみることをおすすめします。
レタッチを使いこなせば、美しく洗練された印象の動画を作ることができるでしょう。