短編コラム 異業種から学ぶ仕事の極意 漫画だからわかりやすい伝わる オススメ漫画作品レビュー

【短編コラム】異業種から学ぶ仕事の極意―― “鉄道(駅員)業界編” 漫画作品レビュー

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coneなセカイ編集

coneなセカイを編集している人。
自らもクリエイターとして、日々クリエイティブに関する課題解決で翻弄中。

たまには自分のデスクを離れて、現場のリアルな空気を感じてみたくなること、ありませんか?
最近はSNSでも「現場主義」がトレンドになっていますが、実は漫画の中にも、思わず現場沼にハマるようなリアルな描写がたくさん潜んでいるんです。鉄道業界を舞台にした漫画を読むと、マニュアルやルールの活かし方、現場の工夫や熱量が、コマ割りやモノローグを通してダイレクトに伝わってきます。今回はそんな「現場のリアル」を体感しながら、ビジネスシーンでも活かせるヒントを一緒に探してみましょう。(`・ω・´)ゞ

作品名:RAIL WARS! -日本國有鉄道公安隊-(豊田巧・バーニア600)

鉄道公安隊の熱き日常!守る現場のプロフェッショナル

「もしも国鉄が民営化されず、今も日本國有鉄道のままだったら?」というif設定が光る『RAIL WARS!』。主人公・高山直人が配属されたのは、鉄道の安全を守る公安隊。第1巻第2話では、事件発生時の初動対応や、現場での進行管理・報告手順が描かれ、公安隊のリアルなオペレーションがコマ割りやアイキャッチで臨場感たっぷりに表現されています。

この作品で特に印象的なのは、鉄道公安隊員たちが「マニュアル通りの動き」と「現場判断」の両方を巧みに使い分けている点です。例えば、第1巻第2話では、列車内で不審物が発見された際に、まずは公安隊のメンバーがマニュアルに従って周囲の安全確保と乗客の誘導を迅速に行います。ここで注目したいのが、現場の状況を見極めながら、リーダー役の桜井が即座に「高山は車両の前方確認、他のメンバーは後方を警戒」と、役割分担を的確に指示するシーン。
鉄道公安隊では「列車内で不審物が発見された場合は、まず車掌と連携し、乗客の安全誘導・現場の封鎖・警察への通報という手順を厳守する」といった細かなマニュアルが存在します。しかし、作品内では現場の混雑状況や乗客の反応を見て、「まず最も危険な場所に近い隊員が現場を確認し、他の隊員が乗客を安全な車両へ誘導する」といった柔軟な対応が描かれています。

こうしたマニュアルの厳密な運用と現場判断のバランスを、作中のモノローグやセリフで丁寧に説明しているため、読者にも「なぜこの手順が必要なのか」「どこまでマニュアルを守り、どこから現場判断が求められるのか」という現場力の本質が伝わります。公安隊のメンバー全員が、日頃からマニュアルを徹底的に読み込み、訓練を重ねているからこそ、突発的な事態にも即座に自分の役割を理解し、最適な動きができる――この緻密な連携や判断力こそが、他の鉄道漫画にはないリアルな現場対応力として際立っています。

こうした公安隊の現場対応は、異業種の危機管理やチーム運営にも通じる実践的なヒントとなるはずです。

作画面では、ページをめくるたびに緊張感が高まるのが『RAIL WARS!』の大きな魅力です。例えば、事件現場に駆けつける公安隊員たちの姿は、車両の通路やホームを大きく斜めに切り取った構図で描かれ、まるで読者自身も現場に踏み込んでいくような没入感があります。緊迫した場面では、キャラクターの顔には汗がにじみ、目線は鋭く、手には無線や警棒がしっかりと握られている…その一瞬一瞬の表情や仕草が、ただの「説明」ではなく「体験」として伝わってきます。特に印象的だったのは、緊張が頂点に達する瞬間には、あえて背景を白く抜いたり、キャラクターの顔を大きくアップで描くことで、読者の視線を一点に集中させる工夫も見られるシーンでした。

『RAIL WARS!』ならではの作画の特徴は、単なるリアルさだけでなく、ドラマチックな演出と緻密な描写が見事に融合している点です。日常の穏やかなシーンでは柔らかな線や温かみのある表情が描かれる一方、事件発生時には一気に画面が引き締まり、視線誘導やコマ割りの工夫で、まるで映像作品のような緊張感を生み出しています。読者は、公安隊員たちの心の動きや現場の空気まで、五感で追体験できるはずです。

お気に入りは、直人が「現場に正解はひとつじゃない」と気づくモノローグ。組織のルールやマニュアルを軸にしつつも、現場の今を見て臨機応変に動く大切さは、どんな仕事にも通じるもの。公安隊のチームワークやリーダーシップも、現代ビジネスに活かせる要素が満載です!

作品名:カレチ(池田邦彦)

車掌の目線で描く鉄道現場のリアルと矜持

『カレチ』は、昭和の国鉄を舞台に、若き車掌・北条一平の成長と葛藤を描いたヒューマンドラマ。第1巻第1話から、車掌の仕事はただのアナウンス係ではなく、車内安全の最前線であることがコマ割りやレイアウトで丁寧に描かれています。

列車が遅延し乗客がざわつく場面では、北条がマニュアルに沿って「まずは正確な状況を車内放送で案内し、混乱を防ぐ」ことを徹底します。慌てる乗客に対しても、落ち着いた声で「ただいま安全確認を行っております。ご協力をお願いします」と伝えることで、現場の不安を和らげる様子が描かれています。

また、急病人が発生した際には、北条がマニュアル通りに「非常通報ボタンで運転士に連絡し、応急対応をしつつ、次の停車駅で救護を要請する」という流れを迅速に実行。手順を守りながらも、その場の状況に合わせて乗客や同僚と連携する姿が印象的です。

こうしたマニュアルの活用が、北条の行動やセリフを通じてリアルに描かれており、読者にも「現場での冷静な判断と手順の大切さ」がしっかり伝わってきます。

漫画の作画について、第3巻第5話では、急病人が発生した瞬間の緊迫感がコマから伝わってきます。揺れる車内で北条が乗客を支える場面では、表情や手の動きが丁寧に描かれ、不安や責任感がひしひしと伝わります。背景をぼかして北条の顔や手元を際立たせることで、場の緊張感を強調。さらに、照明や座席、制服のしわなど細部まで描き込まれ、昭和の鉄道の空気感と没入感を味わえます。『カレチ』は、登場人物のさりげない表情や車内の静けさ、安心した乗客の笑顔など、細やかな変化を丁寧に表現しているのが特徴です。

この作品から学べるのは、現場マニュアルの「型」と「現場判断」の「柔軟性」を両立させる力。異業種でも、クレーム対応や緊急時のリーダーシップ、チームの役割分担など、現場で活きるヒントが満載です。北条の成長物語に、思わず推したくなること間違いなし!

作品名:終電ちゃん(藤本正二)

終電の精霊が見守る、夜の鉄道神回エピソード

『終電ちゃん』は、終電を擬人化した終電ちゃんが、人々の人生と交差する一夜限りのドラマを描く異色の鉄道漫画です。第1巻第4話では、駅員や乗務員が終電運行のために奮闘する様子や、マニュアルに沿った終電業務の流れが、テンポよく描かれています。
作画面では、コマ割りのリズムを変えることで時間の経過や緊張感を表現し、モノローグでは乗務員たちの心の動きを丁寧に描写。さらに、トーンの濃淡や擬音を効果的に使い、深夜の駅や車両内の静けさ、終電特有の緊張感を際立たせています。特に、終電発車直前の静寂や、トラブル発生時のざわめきを、背景の描写やコマの余白を活かして表現しており、独特な没入感を味わえます。

印象的なのは、イレギュラーな遅延やトラブルが発生したとき、駅員や乗務員たちがマニュアルに沿って初動対応しつつも、終電ちゃんのひと押しで現場判断が冴えわたる瞬間です。例えば、終電の発車間際に乗客がホームを走ってくる場面では、「まず車掌は非常通報ボタンで運転士に状況を伝達」「駅員はホーム上の安全確保を優先し、乗客の転落防止のために即座に誘導」「終電の発車時刻厳守の原則に従いながらも、現場判断で数秒の発車遅延を許容」といった、細かなマニュアルやルールが具体的に描かれています。

また、遅延が発生した場合には「運転士が運行管理センターに連絡し、ダイヤ調整の指示を仰ぐ」「駅員は案内放送で乗客に状況を説明し、混乱を防ぐ」「乗務員同士がインカムや無線で情報共有を徹底する」など、現場での連携や情報伝達の手順も物語の中で明示されています。さらに、終電ちゃんの励ましにより、乗務員たちが「バックアップ列車の手配」や「乗客への個別案内」など、通常業務以上の対応を自発的に行う様子が描かれ、現場の柔軟な対応力やチームワークの重要性が強調されています。

この作品からは、現場の厳しいルールやマニュアルの中にも、人の力や気配りが大きな意味を持つことを実感できます。異業種でも、ラストスパートやプロジェクトの締め切り時に「もうひと踏ん張り」する勇気をもらえるはず。終電ちゃんの「あなたの一日、お疲れさま」の一言に、思わず涙腺がゆるみます。(/ω\)

後記:敷かれたレールを、ちゃんと走るのも大変

『RAIL WARS!』では、公安隊の緊迫した連携と危機対応の機微が、まるで現場のアドレナリンまで伝わってくるような臨場感で描かれます。組織のルールと現場判断のせめぎ合い、その一瞬一瞬の判断がチームを動かす現場力の本質を教えてくれました。

一方、『カレチ』が映し出すのは、昭和の鉄道現場に生きる車掌の矜持と成長。マニュアルの「型」を守りつつも、目の前の人や状況に寄り添う柔軟な対応力が、静かな車内の空気やさりげない表情の変化を通じてじんわり伝わってきます。現場で働く人の心の揺れや、プロとしての誇りが、丁寧な作画とともに読者の胸に響きました。

そして『終電ちゃん』は、終電という締め切りの象徴を舞台に、現場のマニュアルと人の温もりが交差する瞬間を幻想的に描きます。トラブル対応の手順や連携の重要性はもちろん、ラストスパートで誰かを支えるひと押しの力――それはどんな業界でも共通する、現場の「人間力」そのもの。どの作品も、ただの手順や仕組みを超えて、現場に息づく人の力を鮮やかに描き出していました。

漫画だからこそ味わえる、現場の緊張感・温度感・そして小さなドラマ。あなたの仕事の現場にも、きっと漫画的な名シーンが潜んでいるはずです。今日の一コマも、明日の神回になるかもしれません。

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