VTuberは企業によるプロモーションや、ブランド戦略のための新たなツールとして注目されています。
なかでも低コストで柔軟なデザイン作成が可能となる2Dモデルは、
商品紹介やSNS活動、オンラインイベントにおいて、効果的な宣伝力が期待できます。
この記事では、Live2Dを活用し、2DのVTuberを効率的に始める方法を解説します。
なぜ今「2D VTuber」が注目されているのか
2D VTuberが注目される理由は、低コストで魅力的なキャラクター表現が可能な点に加え、
SNSやライブ配信を通じて効果的に顧客との接点を持てる新たなマーケティング手法として急速に広がっているためです。
また、親しみやすい二次元のキャラクターを起用することから、
漫画やアニメ、ゲーム、コスプレ、アイドルなどの日本が誇るサブカル文化にもなじみやすく、
ファンがつきやすいということが挙げられます。
制作コストの低さ
2D VTuberが注目される理由の1つとして、制作コストの低さがあります。
2Dモデルは3Dモデルに比べて制作費用が抑えられるため、個人や中小企業でも手軽に取り組むことができます。
また、無料でアバターを作成・配信できるアプリやツールもあり、試用を行うこともできます
広がる市場
VTuber市場は急速に拡大しており、広告や商品プロモーションで成功を収める企業も増加しています。
特に2D VTuberの動画を視聴する“Z世代”を中心としたファンの獲得など、
若年層へのアプローチ効果が期待できます。
2D VTuberは手軽な導入コストと、視聴者との高いエンゲージメント、拡大する市場背景から、
個人や企業の新たなプロモーション戦略として今、注目されています。
2D VTuberモデルの特徴
イラストのまま動く2D VTuberモデルは、柔軟なデザイン性やコスト効率の良さ、そして操作性の高さという特徴を持っています。
そして、これら2Dモデルの特徴は、企業や個人が行うVTuber活動に適した特徴と言えるでしょう。
デザイン性
2Dモデルはキャラクターのイラストをそのまま動かすことができるため、
原画デザインをなるべく崩さず、見せることが可能となります。
さらに表情やしぐさなどの、繊細なアニメーション表現ができることもメリットです。
操作性
3Dモデルと比べて立体表現の知識がなくても、直感的な操作が可能です。
配信画面に上半身まで表示されるため、配信者が上半身を動かしたり、表情を変化させるたびにキャラクターも同じ動きをします。
中にはスマホで2Dモデルを動かせるアプリもあるので、手軽に始めやすい上、操作性も優れています。
2D VTuberモデルは、元のイラストを保つことができることからデザイン性に優れ、
操作性の手軽さから、さまざまなシーンで活用することができます。
2D VTuberモデルの制作プロセス
2D VTuberモデルの制作プロセスは、キャラクターデザインから配信準備までの一連の手順を段階的に進めることで、
原画イラストの持つ魅力と実用性を兼ね備えたモデルを効率的に作成することができます。
キャラクターデザイン
イラストが描ける人は、自分でオリジナルキャラクターをデザインすることもできます。
また、パーツを組み合わせるなどのみで、簡単にキャラクターデザインを作ることができるツールもあります。
次に、イラストレーターに依頼する方法。
実力のあるイラストレーターにデザインを依頼することで完成度の高いキャラクターが出来上がります。
コストを掛けられるようであれば制作会社に依頼する方法もあります。
個人間であるようなトラブルを回避できるほか、スケジュールも読みやすくなるというメリットがあります。
パーツ分けとモデリング
パーツ分けは頭や身体、装飾品にいたるまで、キャラクターのイラストを動かしたい部位ごとに切り分けることを言います。
細かくすればするほど、その後のモデリングでなめらかなアニメーションになります。
次に、平面上でキャラクターが滑らかに動くようにモデリングを行ないます。
イラストをインポートし、パーツ分けした各パーツに可動範囲のパラメータ設定をします。
モデラ―に依頼するとコストはかかりますが、動きが非常に滑らかになり、
視聴者がストレスなく配信を楽しむことができます。
また、すでにモデリングされているイラストを購入する方法もあります。
トラッキングと配信準備
Live2Dなどのトラッキングソフトを使用して2Dモデルを動かします。
費用や使いたい機能で使用するソフトを選択しましょう。
配信ソフトで画面を取り込み、配信画面を設定し、YouTubeなどのアカウントを紐づけておきます。
テストと修正
実際にキャラクターを動かしてみて、不自然な動作や表情がないかチェックし、調整します。
配信開始
紐づけておいたアカウントで配信を開始します。
2D VTuberモデルの制作には、一つひとつのステップを丁寧に進めることが大切です。
ステップ通りに進めることで、高品質な2Dモデルを完成させることができます。
使用ツールとソフト
2D VTuberモデルを制作・運用する際には、Live2Dやトラッキングソフトなどのツールを活用することで、
効率的かつ高品質なVTuber活動を実現できます。
2D VTuberモデルに関する主なツールについて解説します。
Live2D
株式会社Live2Dが開発した日本製のアニメーションツール。キャラクターの表現力に定評があり、
多くの2D VTuberが使用しているソフトです。
トラッキングソフト
「VTube StudiO」や「nizima Live」、「3tene」、「Animaze」などのトラッキングソフトがあります。
それぞれ特徴が異なるので、自社の2Dモデルの特性や活動に合ったソフトを選びましょう。
動画編集ソフト
キャラクターの動きが完成したら、動画編集ソフトを選びます。
「Adobe Premiere Pro」、「Final Cut Pro」、「DaVinci Resolve」などがおすすめソフトとして挙げられます。
中にはハイスペックPCが必要なソフトもあるため、事前に確認しておくことが重要です。
配信支援ツール
配信支援ツールを使用することで、初見の視聴者を配信に定着させるようなツールも存在します。
コメント管理機能や、視聴者の行動に合わせて画面を盛り上げる画面演出の機能など、配信の際に役に立ちます。
これらのツールやソフトを組み合わせることで、2D VTuberモデルの制作から配信までをスムーズに進めることができます。
コンセプトやキャラクターに合ったツールやソフトを選びましょう。
VTuber制作に必要なソフトの詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:VTuber制作ソフトの種類と選び方
Live2Dがよく使われる理由
2D VTuberの制作においてLive2Dがよく使われる理由は、既存のイラストをそのまま活かしながら、高い表現力と操作性を兼ね備えたモデリング技術を提供しているためです。
ユーザーが多いLive2Dについて解説します。
イラストをそのまま動かせる
「Live2D」は、イラストのタッチを変えず、作画どおりのキャラクターのまま動かすことができます。
そのため、キャラクターのコンセプトや世界観を損ないません。
滑らかな動きと高い表現力
イラストをパーツ分けし、各パーツを変形することで滑らかな動きを実現。
2Dでありながら、3Dモデルのような高い表現力が魅力です。
操作性と柔軟性
日本語資料が多いため、操作しやすいところもポイントです。
SDKと言うキットを用いれば、自社のコンテンツに活用することも可能。
コストパフォーマンス
無料版と有料のPRO版があるほか、年間プランにすると年間割引があります。
1年に1度ソフトウェアを更新するたびに割引されるため、
長い目で見ると、コストパフォーマンスにも優れています。
Live2Dは、イラストをなめらかに動かす独自の技術とコストパフォーマンスの高さから、
2D VTuberモデルの制作において最適なツールとして多くのVTuberが採用しています。
2D VTuberモデルは無料で作れるのか
2D VTuberモデルは、無料ツールや素材を活用することで、コストをかけずに作成することが可能ですが、
コンセプトやブランドイメージなどの目的によっては、クオリティ次第で追加の投資が必要になる場合もあります。
無料ツールの活用
無料で利用できるLive2D Cubismのトライアル版や、VTube Studioなどのトラッキングソフトを活用すれば、
専門スキルがなくとも基本的な2Dモデルの作成や配信は可能です。
クオリティの制限
無料の範囲では、商用利用に制限がある場合や、細かなカスタマイズができない場合があります。
スマホで操作できるアプリもあり、高価な機材を追加購入することなく無料でVTuberデビューができますが、
アプリで作成したモデルはアプリ内でしか使用できないため、活動の幅が制限されるという点がデメリットです。
まずは気軽に始められる無料ツールを試しながら必要に応じてコストをかけることで、
自分に最適な方法を見つけるのがおすすめです。
ブランディングに2D VTuberを活用する
2D VTuberモデルの活用は、低コストでブランド力を高める効果的な方法として注目されています。
テレビCMや広告で目にすることも多く、芸能人やインフルエンサーと同じくらいの人気とPR効果が期待できます。
Live2Dを活用すれば、親しみいやすいキャラクターを通して、
視聴者にとって親近感のあるコミュニケーションを実現し、
SNSや動画プラットフォームでのエンゲージメントを向上させることが可能です。
2D VTuberモデルを自社のマーケティングに活用してみてはいかがでしょうか?