自作のイラストを印刷したり、同人誌を作成したりするときには、印刷所や、自宅のプリンターなどで印刷しますよね。
最近は、スマートフォンから送った画像を印刷する、コンビニで印刷するなど、簡単で手軽な印刷方法が増えてきました。
自分の状況に合わせた手軽な印刷もしやすくなり、イラストを印刷したい人にとっては、かなり便利になったといえるのではないでしょうか?
しかし中には、「印刷の方法がいまいち分からない」という人もいるかもしれません。
今回の記事では、上手にイラストを印刷するポイントや、オススメのプリンターなどについてご紹介していきます!
どんな印刷方法を選ぶ?
まずは、印刷方法の種類についてご紹介します。
自宅で印刷する方法
自宅にプリンターがあれば、文字どおり家にいながら印刷ができます。
パソコンで作成したデータを印刷する方法が主ですが、最近では、スマホからの印刷もできるようになってきていますね。
スマホのデータをプリンターで印刷する場合は、プリンターに対応した無料アプリをダウンロードし、アプリを使って印刷します。
印刷会社に依頼する方法
同人誌やオリジナルグッズなど、印刷物を大量生産したい場合は、印刷所に依頼する人が多いのではないでしょうか。
プロに任せるので、依頼方法を間違えなければ、クオリティの高い印刷を期待できます。
印刷枚数やカラー、印刷方法によっては、自宅で印刷するよりコストがかかる場合もあるので、自分の状況と照らし合わせて、どちらが損か得かを見極めるといいでしょう。
コンビニで印刷する方法
「自宅にプリンターがないけれど、印刷会社に頼む時間やお金もない!」
という方には、コンビニ印刷がおすすめ。
時間や場所を選ばずに印刷できるのは、コンビニプリントの大きなメリットといえます。
自宅のパソコンや手持ちのスマートフォンから、データをアップロードし、コンビニのマルチコピー機で印刷する「ネットプリント」も便利ですね。
イラストを自宅で綺麗に印刷する5つのポイント
自宅印刷では、印刷所に入稿したり、印刷のために出かけたりする必要がなくなるため、印刷作業が楽ですよね。
他にも、すぐに印刷の確認ができる、コストが抑えられるなどのメリットがあります。
しかし自宅のプリンターだと、なかなか綺麗に印刷できないことがあるかもしれません。
ここからは、イラストを自宅で綺麗に印刷するポイントをご紹介します。
印刷する画像はCMYKで作成する
モニターで表示したイラストと、印刷したイラストを見比べると、色味に違いが出ているのがわかるはず。
大抵の場合、画面上の方が鮮やかに、印刷されると色がくすんだように見えます。
これは、印刷物は”CMYK”の4原色、画像は”RGB”の3原色で表現されているためです。
「CMYK」と「RGB」とは?
CMYKとは、Cyan=シアン、Magenta=マゼンタ、Yellow=イエロー、そしてKey Plate=黒の4色のこと。印刷物は、4色のインク量を微妙に変えて、幅広い色を表現しています。
一方、RGBとは、Red=レッド、Green=グリーン、Blue=ブルーの3色のこと。パソコンやスマートフォンなどに表示される画像は、これらの色で表現されています。
「CMYK」と「RGB」の違いと注意点
RGBでは、CMYKより鮮やかな色彩を表現できます。
しかし、画面上でどんなに綺麗に表示されていても、出力時に使われるインクはCYMKの4色。
そのため、画面上では鮮やかだった色がくすんだり、イメージと全く違う仕上がりになったりすることも。
あらかじめ印刷すると分かっている画像は、RGBではなくCYMKモードで作成しておくといいでしょう。
また、PhotoshopやIllustratorなどのソフトを使うと、後からでもカラーモードを変更できます。
画像サイズをしっかり確認
イラストがパソコン上で綺麗に見えていても、印刷をすると画像が荒かったり、紙からはみ出てしまっていたりする場合も多いかもしれません。
その理由として多いのが、サイズやファイル形式の設定ミスです。
小さい画像を拡大して印刷すると、画質が低下しやすくなってしまいます。
反対に、大きい画像を縮小した時には、あまり画像が劣化しません。
おすすめの方法と手順
これを防ぐためにも、「作業時はキャンバスサイズを大きめに設定し、後で必要に応じて縮小する」という方法をとるといいでしょう。
印刷前に仕上がりを確認したい場合は、画像を「拡大・縮小」で100%表示にする、または「実際のサイズ」にしてみてください。
この状態で見ても画像が粗くなければ、綺麗に印刷できる可能性が高くなっているはずです。
ファイル形式をしっかり確認
ファイル形式の種類には、JPEG・GIF・PNG・TIFF・EPS・PSDなどがあります。
その中で印刷物に適しているファイルは、JPEG・TIFF・PSDの3つ。
それぞれの特徴は、以下のようになっています。
JPEG
画像の容量を小さく圧縮できるファイル形式。
保存を繰り返すことでデータが圧縮されるため、画像が劣化しやすくなっています。
TIFF
画像を圧縮しないため、JPEG以上に、綺麗に印刷しやすいファイル形式。
印刷所では、この形式を推奨しているところも多くなっています。
ただし、ファイルサイズがかなり大きくなるので、Web上での公開には適しません。
PSD
「Photoshop」で画像を作成、編集した際のファイル形式。
JPEGのようなデータの劣化がなく、TIFFより容量が軽めなため、印刷に向いています。
ただし、PhotoshopやIllustratorなど、PSDに対応しているファイルでしか開けないので、注意が必要です。
印刷所に依頼する場合などは、PSDのバージョンの指定もあったりするので確認してみてください。
解像度も忘れずに確認
ここまで、画像のサイズやファイル形式についてお話しましたが、印刷時には画像の「解像度」も大切なポイント。
印刷をする画像の解像度は、最低でも「300dpi以上は必要」といわれています。
しかし、パソコン上で作成した画像は、初期設定で解像度が72dpiとなっていることも。
72dpiのまま印刷してしまうと、綺麗に仕上がらない可能性が高くなっているので、印刷前に忘れず確認してくださいね。
印刷モードを確認
用途に合わせてプリンターの印刷モードを変更すると、綺麗に印刷しやすくなるかもしれません。
プリンターによって機能の数や名称が異なりますが、大抵、どのプリンターにもいくつかの印刷モードが用意されていますよね。
カラーイラストは「写真」モード、モノクロイラストや線画は「文字」モードに設定して印刷すると、綺麗に印刷しやすい傾向があります。
では、オススメのプリンターや印刷用紙について、具体的にご紹介していきます。
使える!おすすめプリンター3選
ここでは家庭用のおすすめプリンターをご紹介していきます。
EPSON Colorio(カラリオ) PX-049A
写真印刷の綺麗さをウリにしている、EPSONの家庭用プリンター。
顔料インクで滲みにくく、フルカラーも綺麗に印刷できます。
低価格で買い求めやすく、サイズもコンパクトなので、自宅で使いやすくなっています。
Canon PIXUS(ピクサス)TS5330
写真も文字も綺麗に印刷できる、Canon製のプリンター。
タッチパネルがついており、操作が分かりやすいのが特徴です。
brother PRIVIO(プリビオ) DCP-J973N-W
brotherの家庭用プリンター。
スマホプリントにも対応しているため、パソコンがなくても印刷ができます。
目的別!印刷向きの用紙を紹介
家庭用プリンターで普通に印刷する場合、用紙は普通紙になりますよね。
ですが、綺麗に印刷をしたいとなれば、用紙にもこだわってみませんか?
ここからは、目的別のおすすめ用紙をご紹介していきます!
アナログっぽい、味のある印刷がしたい
少しアナログっぽい古さを出したいときは、上質紙(わら半紙)またはワトソン紙を使うと雰囲気が出やすくなります。
上質紙は、表面に少しざらつきがあり鉛筆で書きやすい紙。色がくすんでいて発色性も低いので、特別な意図がなければ、一時的な印刷として使われることが多くなっています。
ワトソン紙は、少し黄味がかっていて表面が粗い紙。アナログ特有の柔らかさを表現したいときにオススメです。
綺麗な発色で印刷したい
発色性に優れている紙といえば、コート紙です。
コート紙は、表面が塗料でコーティングされている紙のこと。
ツヤツヤとした表面はインクの乗りがよく、とくに綺麗な発色で印刷しやすくなっています。
高級感を出して印刷したい
高級感のある印刷をするなら、アイボリー紙がオススメです。
アイボリー紙は、紙色が白く、表面が滑らかな紙のこと。
厚みのある紙なので、主に本の表紙やポストカード、名刺などに使われています。
まとめ
最後に、今回の内容を簡単にまとめてみました。
- イラストを印刷するには、印刷所、コンビニ印刷、自宅印刷などの方法がある
- イラストのサイズや拡張子などを、印刷に適した設定にすると、自宅印刷でも綺麗に仕上がりやすい
- 印刷用紙を変えると、仕上がりの印象が大きく変わる場合がある
自宅印刷なら、原稿のように納期もなく、印刷するためにコンビニへ足を運ぶ必要もありません。
また、制作コストを減らせる可能性も高くなっています。
イラストや同人誌を、自宅でこだわって印刷するという選択肢も、一度考えてみてはいかがでしょうか?
下記の記事はネットプリントについてご紹介していきます、良かったらご参考してください!