YouTubeは、ユーザーが自由に動画をアップロード・視聴・共有できる配信プラットフォームです。
多くのVTuberがYouTubeをメインの活動場所として、配信や実況を行っています。
顔出ししている配信者がYouTube上で配信を行う場合には、スマートフォンやパソコンから簡単に配信が可能です。
しかし、VTuberがYouTube配信を行う場合には、配信ソフトの準備や設定などの手順を踏む必要があります。
そのため、事前に配信までの流れを理解することが大切です。
そこで、この記事ではYouTube配信がVTuberに選ばれる理由とYouTuber配信のやり方、便利な機能を紹介します。
VTuberがYouTubeで配信する理由
VTuberが配信活動を行う「場所」となる配信プラットフォームには、さまざまなタイプのプラットフォームがあります。
なかにはアバターの制作から配信までを一つのアプリ上で行える便利な配信プラットフォームも存在します。
しかし、数多くの配信プラットフォームがありながら、VTuberがYouTube配信を選ぶのには、以下にあるような理由があるためです。
- ユーザー数が多いため
YouTubeは、世界最大級の検索エンジンであるGoogleが運営していることから、世界中で数多くのユーザーが利用しています。
日本においても2023年には18歳以上のユーザー数が月間7,120万人を超えています。そのうちの2,680 万人以上が 45 歳から 64 歳のユーザーです。(※)
これだけのユーザー数が利用している配信プラットフォームは2025年2月現在にはなく、
数多くの幅広いユーザーにアプローチできることから、YouTube配信が選ばれています。
※出典:Think with Google 2023 年の YouTube 視聴はますます多様に —— テレビデバイスで月間 3,800 万人、ショート動画も前年度より加速)
- 配信機能が充実しているため
VTuberによるYouTubeのライブ配信は、配信ソフト(OBS Studioなど)を利用する必要はあるものの、慣れてしまえば簡単に配信することが可能です。
配信中のリアルタイムでのコメント管理や解像度やビットレートの設定、配信アーカイブ・スケジュール管理などさまざまな配信機能が充実しています。
VTuberが配信を行ううえで使用しやすい便利なプラットフォームであるため、YouTube配信が選ばれています。
- 収益化方法が豊富なため
YouTubeでは、配信中の収益化の方法として
①広告収益、②スーパーチャット(投げ銭)、③メンバーシップ(サブスクリプション)
の3つを用意しています。
また、企業からのコラボ・プロモーション案件を得られる可能性もあります。
収益源が一つしかないと収入が不安定になる可能性があります。
そのため、複数の収益化方法が用意されているYouTube配信が選ばれているのです。
活動方針に合わせた配信機能が選択でき、視聴者数と収益の増加を期待できるYouTubeは、VTuberの活動場所として人気を集めています。
その他の配信プラットフォームと比較したい場合には、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:VTuber・Vライバーに最適なプラットフォームを徹底比較!おすすめ配信サイト6選

VTuberがYouTube配信をするために必要なもの
VTuberがYouTuberで配信を始めるために必要なものについてまとめました。
準備物に漏れがないように以下の表を参考にしてください。
必要なもの | 概要 |
YouTubeチャンネルの開設 | Googleアカウントを作成し、YouTubeチャンネルを開設する。 |
VTuberのアバター | アバターは、VTuberとして活動するために必要なキャラクター(外見)のこと。 自作するか個人クリエイター・制作会社に制作を依頼して用意する。 |
配信用の機材 | 以下のような機材を準備する。 ・パソコン ・Webカメラもしくは専用のトラッキング機器 ・マイク ・イヤホン・ヘッドフォン ・照明 |
配信用のソフトウェア | 以下のようなソフトウェアを準備する。 ・トラッキングソフト ・配信ソフト ・動画編集ソフト |
以下の記事で、VTuberモデル制作に必要なツールについて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:VTuberに必要なツール9選!利用用途別に徹底解説
VTuberのYouTube配信のやり方
VTuberとしてYouTube配信を始めるやり方を以下にまとめました。
事前にやり方を把握し、テスト配信まで行うことで、実際に配信をはじめる際にスムーズに行えます。
1.チャンネルのライブ配信を有効化する
まずはYouTubeのアカウントを作成し、「YouTube Studio」にアクセスします。
電話番号を入力すると送られてくる確認コードを再度入力することで、ライブ配信の有効化が行われます。
ライブ配信の有効化には最大24時間かかるため、配信を開始する2日前には行っておきましょう。
有効化されたら、クリエイターツールにアクセスして「ライブストリーミング」が有効になっているかどうかを確認してください。
2.トラッキングソフト・配信ソフトの設定
VTuberが自身のアバターをYouTubeの画面上に映すには、トラッキングソフトと配信ソフトを使用することが必要です。
ここでは代表的なトラッキングソフト「VTube Studio」と配信ソフト「OBS Studio」を使用した場合における、VTuberモデルを画面上に出力するための設定をまとめました。
「VTube Studio」の設定 | 1.使用するWebカメラを選択する 2.「カメラON」をクリックする 3.「メニュー」→「ColorPicker」を選択し、背景を透明化する 4.実際に顔の動きをトラッキングする 5.顔認識設定を調整する 6.メニューバーを「×」で閉じておく |
「OBS Studio」の設定 | 1.「設定」→「配信」の設定を以下に変更し、ストリームキーはYouTubeからコピーして貼り付ける。 ・サービス:YouTube – RTMP ・サーバー:Primary YouTube ingest server 2.「ソース」→「ゲームキャプチャ」を選択し、以下を設定する ・モード:特定のウィンドウをキャプチャ(ゲームキャプチャのみ) ・ウィンドウ:VTube Studio ・「透過を許可」にチェックを入れる 3.画面上に映し出されたモデルの位置や大きさを調整する |
この他にも自分の仕様デバイスや好みに応じて、事前に映像エンコーダやビットレート、録画設定などを行っておきましょう。
また、背景画像やゲーム画面、画面上に表示しておきたい内容(テキストやコメント欄)、BGMなどもOBSを通して設定できます。
こうした材料も事前に用意し、OBSの「ソース」から挿入することで、VTuberらしい配信画面を作ることが可能です。
3.YouTubeの配信設定
トラッキングソフトと配信ソフトの設定が終わったら、YouTubeでの配信設定に移ります。
- 「YouTube Studio」から「作成:ライブ配信を開始」を選択する
- 配信方法を「エンコーダ配信」「ウェブカメラ」「管理→ライブ配信をスケジュール設定」から選択する
- 配信の作成では、タイトル、カテゴリ、サムネイル、説明欄などを設定するが、その際ライブ配信の方法を「ストリーミングソフトウェア」を選択する
- 公開設定やスケジュールを決定する
- 「完了」を選択する
- さらに細かな設定を決める画面が表示されるため、「ライブ配信の設定」「アナリティクス」「ストリームの状態」などを好みの設定に変更する
4.テスト配信で確認
すべての設定が終わったら、テスト配信を行いましょう。公開範囲を「非公開」「限定配信」にすることで、テスト配信が可能です。
テスト配信を行う際には、以下の順番で配信を開始することで、YouTubeで配信が開始されます。
- OBSで「配信を開始する」を選択する
- しばらく待ち、YouTubeでの「ライブ配信を開始する」が点灯したら選択する
YouTube配信で使える便利な機能
YouTubeには、VTuberがライブ配信を行う際に役立つ便利な機能が多数あります。
ファンとのコミュニケーションを促進したり、安全で快適な配信につながったりするため、便利な機能は把握しておくことがおすすめです。
ここでは、いくつかのYouTube配信で使用できる便利な機能について解説します。

視聴者へのアンケート機能
視聴者にアンケートを行い、その結果をリアルタイムで表示できる機能です。
配信中に「アンケートを作成する」においてアンケート内容を入力し、「コミュニティに質問する」を選択することで、視聴者にアンケートに回答してもらえます。
リアルタイムで視聴者の意見を反映させた配信が可能になることで、コミュニケーションの促進に役立ちます。
チャットモデレーション機能
ライブチャット中に不適切なコメントを防ぐための機能です。
自動フィルタリング機能やモデレーターを任命することにより、スパムや悪質なコメントを排除し、快適な配信につながります。
メッセージの固定機能
ライブ配信中に流れてきたコメントを固定できる機能です。
ライブ配信中に、途中から自分のチャンネルに見に来てくれた視聴者への情報共有などに活用することが多くあります。
固定メッセージとして視聴者への注意書きやお知らせの共有などを掲載することで、視聴者全員に情報を確認してもらえます。
ライブQ&A機能
配信中に「Q&A」を行いたいときに、質問内容に関するチャットをまとめて表示できる機能です。
チャット欄の上部に、「Q&Aを受け付けています」といった内容のチャットが上部に固定されます。
視聴者から送信された質問のうち、適切な質問のみを表示できるため、スムーズな進行が可能になります。
VTuberのYouTube配信はスマホで出来る?
VTuberとしてYouTubeでライブ配信を行いたい場合、パソコンを使って配信する必要があります。
そのため、スマホからYouTube配信を行うことは基本的にはできません。
ただし、MirrativやIRIAMなどVTuber配信が可能なスマホアプリのなかには、アプリで行った配信を録画しYouTubeに投稿することを許可しているものもあります。
まずはコストも低く手軽なスマホアプリで配信を行い、YouTubeへは動画投稿からスタートするといったVTuber活動の始め方も選択肢の一つでしょう。
今後の展望としては、メタバースやAI技術との融合により、キャラクター表現やユーザー体験が進化し、
新たな収益モデルやマーケティング手法が生まれる可能性があります。
また、海外市場の拡大や多様なファン層の獲得により、VTuber市場の成長性はさらに高まるでしょう。

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