動画制作ではさまざまな素材を使用しますが、その中でも重要な役目を担っているのが音楽や音声でしょう。
動画の編集中は、SEやBGMの追加のほか、マイクに拾われた人物の声を別途利用したい場面も出てきます。
このようなときは音声抽出する必要があるため、動画ファイルから音声ファイルへと変換します。
ここでは動画をwavファイルに変換したい人に向けて、wavの概要や、動画編集によって変換が必要になるケース、また注意点やメリットについてご紹介します。
そもそもwavとは?
動画や音声には多くのファイル形式があります。
「wav」は音声フォーマットの一つで、マイクロソフトとIBMにより開発されました。Windowsでは標準の音声形式となっているため、聞いたことがある人も多いでしょう。
読み方は「ウェーブ」「ウェブ」などで、Webと区別するため音楽業界では「ワブ」とも呼ばれます。
変換が必要になるケースとは?
wavファイルへの変換はどのようなシーンで必要になるのでしょうか?ここでは主なパターンを2つご紹介します。
ソフトが対応していない
音声ファイル形式といえば「MP3」を思い浮かべる人も多いでしょう。
MP3は音楽プレイヤーなどでも利用されるお馴染みのオーディオファイル形式です。
しかし動画編集ソフトの中にはMP3に対応していないものもあるため、そのようなときはwavへの変換が必要になります。
音声のみ抽出したい
状況によっては音声だけを抽出して利用したい場合や、スマホなどで確認したい場合も出てきます。
このようなときも音声データへの変換が必要です。
ダウンロードした音声データはオフライン環境でも確認できるため、Web上で確認するより便利でしょう。
wav変換するときの注意点
wavファイルに変換する際にはいくつかの注意点があります。
以下の3点に気を付けて、変換作業を進めていきましょう。
フォーマットを確認する
ファイル形式が対応していても、フォーマットには対応していない場合があります。
このようなパターンは変換ができないので注意してください。
出力ソフトによっては利用できない
特定の動画編集ソフトで出力したファイルなど、変換ソフトによっては利用できないこともあります。
使用ソフトの相性に左右される場合もあるため、うまくできなかったときは変換ソフトを変えるなど試行錯誤してみることをおすすめします。
バックアップを取る
ファイル形式の変換は必ずしも成功するとは限りません。
変換が完了しても映像が乱れるなど、完全ではない可能性もあります。
必ずオリジナルデータのバックアップを取っておきましょう。
編集上のメリットとは?
使用ソフトがMP3などほかの音声ファイル形式に対応している場合、必ずしもwavへの変換は必要ありません。
しかしwavには大きなメリットがあります。wav変換にはどのような利点があるのでしょうか?
高音質で編集できる
wavは音を圧縮しないデジタル音源フォーマットのため、一般的なCDと同じくらい高音質です。
ミュージックビデオを作るときや、音声にこだわった映像を作る場合に最適でしょう。動画全体の精度を上げたいときにも良いかもしれません。
ただしwavは音の情報量が多いため、ファイルサイズがかなり大きくなります。
5分程度で50MBになることもあるため、作業環境にも影響を与える可能性があります。
動画制作そのものが多くのメモリを必要としますが、さらに余裕が必要となるでしょう。
なお、MP3は人が聞き取れない部分のデータをカットするため、大幅にデータが圧縮されます。
原音の1/10ほどといわれており、音声データを軽くしたいときにはMP3が重宝します。
MP3→WAVでは音質は上がらない
MP3の音声データをwavに変換した場合、音質は特に良くならないので注意が必要です。
高音質のwavファイルを編集したい場合は、動画撮影の段階でwavを選択して録音しましょう。
ファイルサイズが大きくなることを念頭におきながら、作業を進めていくことをおすすめします。
元のファイルがwavであれば、MP3への圧縮は簡単です。
まとめ
wav形式へのファイル変換は、Web上の無料ファイル変換サイトや専用のフリーソフトを使えば簡単にできます。
フォーマットや使用ソフトに注意する必要がありますが、必要に応じて活用していきましょう。
特にクオリティの高い音声データを扱いたい場合は、最初からwavで録音するなど工夫すると良いかもしれません。
音声データをうまく使って、動画制作を進めていきましょう。