VTuber活動をこれから始める場合、初配信はいわば「ファンとなりえる視聴者との最初の接点」となります。
人間の第一印象は3秒〜15秒で決まるといわれていますが、VTuberの初配信においても、視聴者への第一印象を良くすることがファン獲得に重要です。
そのためには、「いかに、初配信に向けた準備を入念に行うか」がポイントとなります。
そこで、本記事では、初配信の成功のために必要な準備を解説し、おすすめの配信内容と初配信の事例を紹介します。
VTuberの初配信は準備が重要
VTuberの初配信は、リスナーとリアルタイムでコミュニケーションをとる最初の機会です。
視聴者に継続的に配信を見てもらい、ファンになってもらうためには、初配信でどのような印象を与えるかは非常に重要です。
初配信を成功させるには、配信の事前準備が大切です。
ここでいう事前準備には、以下の3つが挙げられます。
- 配信に必要な機材・ソフトウェアの準備、配信設定など
- SNSなどを活用して行う集客・周知活動
- 初配信時で話す内容や企画の決定
このうち、この記事では「SNSなどを活用して行う集客・周知活動」「初配信時で話す内容や企画の決定」について解説します。
配信に必要な機材やソフトウェア、配信設定については以下の記事をご覧ください。
関連記事:3DVTuberの制作で必要な機材や費用を紹介
関連記事:VTuber配信方法!OBS設定・マーケティング・収益化までを解説
事前準備が必要な理由
それではなぜ、「集客・周知活動」や「初配信時に話す内容や企画の決定」を初配信前に行う必要があるのでしょうか。
その理由は、あなたの分身となるVTuberの認知度がゼロであるためです。
つまり、誰にも存在を知られていないため、視聴者は
「新しいVTuberが配信をはじめることを知らない」
「いつ、どこで配信するのか知らない」
「初配信を行うVTuberが、どのようなVTuberなのか知らない」
状態です。
そうした中でいきなり初配信を行った場合、視聴者数が0人になることもあり得るでしょう。
また運良く初配信を視聴してくれたリスナーがいたとしても、「話が面白くない」「キャラクターの個性が立っておらず、魅力的に感じられない」というような感想を抱かれては、二度と視聴してくれることはないでしょう。
そのため、初配信に来てくれる視聴者を増やすために「集客・周知活動」を、
初配信に来てくれた視聴者を自分のファンにするために「初配信時に話す内容や企画の決定」をする必要があるのです。
十分に事前準備を行うことでより多くの人にVTuberの魅力を伝えられ、これからのVTuber活動を軌道に乗せることができるでしょう。
【具体例】VTuberの初配信前にやること
ここでは、VTuberが配信前にやるべきことの具体例を解説します。

SNSでの集客・周知活動でやること
多くの人にVTuberの初配信を見てもらうためには、事前にSNSでデビューの周知を行い、他の活動者やリスナーと交流をすることが大切です。
VTuberの初配信前にできる、SNSでの周知活動や交流企画の例を紹介します。
- ハッシュタグの活用
SNSのハッシュタグを活用することで、ファンがあなたのVTuberに関する情報を見つけやすくなります。
例えば、「#〇〇準備中」「#〇〇初配信」「#〇〇ファンアート」など、〇〇に自分の分身となるVTuberの名前を入れて、ファンに活動までの進捗の共有や認知度の向上につながる運用をしましょう。 - フォロー企画
フォロー企画は認知度向上だけでなく、ファンとの交流を行えるVTuberの定番の企画です。
例えば、「フォロー100人達成で自己紹介ボイス投稿」「初配信前にフォロー50人達成で特別イラスト公開」などのような企画があります。
リプやボイス、イラストなどのお返しの内容を明確に提示することで、ユーザーに参加してもらいやすくなります。 - 立ち絵公開チャレンジ
立ち絵公開チャレンジは、VTuberの顔を少しずつ公開していく企画です。
例えば、①髪型→②目元→③上半身→④全身をお披露目するといった形で行います。
ただ公開するだけでなく、謎かけやアンケート形式など参加型の企画にすることで、ファンと交流できる内容にしましょう。
初配信でのトーク内容や企画決め
初配信時には、まず自分がどのようなVTuberなのかを視聴者に知ってもらう必要があります。
そのため、以下のようなトーク内容を決めましょう。
- 自己紹介(年齢、出身、種族、好きなもの、特技など)
- 活動内容
- 活動を通した目標や夢
- ハッシュタグ、ファンネーム、ファンマークの発表
- ミニゲームやボイスネタ、一発芸などの企画
こうした内容を決める際、箇条書きでまとめるのではなく詳細まで設定をつめておくことが大切です。
初配信からキャラ設定がブレてしまうと、個性や魅力が伝わりにくくなります。
そのため、例えば独自の挨拶や語尾、声のトーンなどもしておくことで、キャラクター性や世界観の一貫性を保つことにつながります。
初配信で話す内容の練習
初配信を迎える前に、自己紹介や活動内容など、すでに話す内容がある程度決まっているものについては、話す練習をしておくことがおすすめです。
普段長時間話すことが習慣になっていないと、すぐに声が出なくなったり、喉が痛くなったりする可能性もあります。
ハキハキとした声で話し続けられるように練習しましょう。
特に、「話すことが苦手」という意識がある場合には、何度か練習しておくことで自信をもって初配信を迎えられるようになります。
また、VTuberは表情や仕草も、そのキャラクターの魅力となる部分です。
そのため、話す際には表情や仕草についても意識すると、より生き生きとしたキャラクター像を視聴者に知ってもらえます。
自身の表情、仕草、動作がどのようにVTuberモデルに反映されるのかを確認しながら、話す練習を行うと良いでしょう。
VTuberの初配信でやること

ここまで準備を行ったら、初配信を行いましょう。
初配信時では事前に決めた自己紹介や企画はもちろんのこと、配信を楽しく盛り上げるためにやるべきことがあります。
それは、リアルタイムでのコメント拾いです。
視聴者からのコメントは逐一確認し、リアクションを返していきましょう。
自分のコメントにVTuberが返事をしてくれると、視聴者の満足度は大きく上がります。
テンプレートのようなリアクションが続くと、あまり良い印象につながらない可能性があります。
コメントをただ読み上げるだけでなく、名前を読む、アイコンに触れる、コメント内容に笑うなど、「コメントして良かった」「またコメントしたい」と思ってもらえるようなリアクションを心がけましょう。
ただし、あまりにもこだわりすぎると、無言になったりぎこちなくなったりしてしまうでしょう。
キャラづくりを意識することは大切ですが、自分自身も配信を楽しむことを忘れずに、視聴者との時間を過ごすことがおすすめです。
人気VTuberの初配信を紹介
それでは、実際に2025年4月現在で人気VTuberの初配信はどのような様子だったのでしょうか。
ここでは、3名の人気VTuberの初配信動画を紹介しますので、初配信の準備を行いたい方は、ぜひ参考にしてください。
兔田ぺこら(ホロライブ)
女性VTuberグループ「ホロライブ」の3期生・兔田ぺこらさんは、ゲーム配信や料理配信、コラボ配信などを中心に行う人気VTuberです。
2025年4月現在、チャンネル登録者数約270万人を誇る兔田ぺこらさんですが、初配信は約5年前の2019年7月17日に行われました。
初配信の主な内容は、以下の4つでした。
- 自己紹介
- 絵文字決め
- タグ決め
- マシュマロ(匿名で質問できるサービス)での質問返し
最初に配信内容の共有をしたり、話題に合わせて画面を変更したりと、入念な事前準備を行っているのが感じられる、見本のような初配信です。
「初配信で何をしたら良いかイメージがつかない」という方は、一度参考にされると良いかもしれません。
兔田ぺこらさんの初配信動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=i8gf-tM13ao
壱百満天原サロメ(にじさんじ)
老若男女さまざまなVTuberが所属するグループ「にじさんじ」に所属する壱百満天原サロメさんは、
ゲーム配信や歌ってみた・踊ってみた動画、コラボ配信などを中心に行う人気VTuberです。
2025年4月現在、チャンネル登録者数約181万人を誇る壱百満天原サロメさんですが、初配信は約3年前の2022年5月24日に行われました。
壱百満天原サロメさんの初配信は、これまでにない企画を行ったことで大きな話題を生み、初配信からわずか2週間後に登録者数100万人を突破しました。
その企画とは、自らの住民票や履歴書、胃カメラの内視鏡画像の公開です。
個人情報の漏えいにもつながりかねない情報であるため、注意が必要ではあるものの、多くのファンを獲得した伝説的な初配信となりました。
ガッチマンV
ガッチマンVさんは、個人ゲーム実況者として活動するガッチマンさんの配信用VTuberです。
そのためまったくの新人VTuberとして初配信を迎えたわけではありませんが、初投稿動画がユニークだったため、紹介します。
ガッチマンVさんの初動画は、2020年5月7日に投稿されました。そこから翌8日、15日と10分未満の短い動画を3本投稿しています。
そして、初動画は「首と手しか動かない状態での自己紹介」、2本目は「VTuberとしての動作設定を行う動画」、
3本目の動画で「全身の動作設定が完成したことを報告する動画」と、なんとVTuberモデルを完成させる進捗を動画化するという企画を行ったのです。
個人勢ならではの企画で「未完成さ」をあえてネタとして提供したことで、ファンの心を掴んだ初投稿動画となりました。
十分な準備が初配信の成功につながる
VTuberの初配信は、リスナ―と初めてリアルタイムのコミュニケーションをとる機会として、また、VTuberに興味・関心を持ってもらうためにとても重要です。
より多くの人に初配信を見てもらうために、事前にSNSで活動の周知やファンとの交流を行うこと、初配信での企画決めを行うことが必要です。
初配信では、VTuberの個性や特徴を伝え、ファンとの一体感を高めるために、プロフィールの整理や独自の挨拶等の設定をしておきましょう。
十分な準備を行うことで、初配信を成功に導き、今後のVTuber活動を軌道に乗せることにつながります。