動画を構成する大切な要素は、映像と音声の2つです。音声は必ずしも必要ではありませんが、動画の内容によっては重要な役割を果たします。とくに「画面が見られない状況のなか、イヤホンで聞く」といった場合は、音声の聞きやすさがポイントになるでしょう。そのようなときに役立つのが、音声の合成という技術です。
今回は動画の音声を合成したい人に向けて、音声合成のメリットや合成時の注意点、おすすめの自動音声読み上げソフト&合成ソフトをご紹介します。
音声合成のメリットとは?
動画制作において、音声合成はどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは3つの利点をご紹介します。
内容を理解してもらいやすい
撮影したビデオを見返してみると、雑音や声量の関係で音声が聞きとりづらい場合があります。このようなときは聞きやすい音声を合成すると内容を理解してもらいやすくなります。
自動読み上げ機能を使える
動画にナレーションを入れたい場合、自動読み上げソフトを使えば誰でも簡単に音声を合成できます。ナレーションは自分でもできますが、自分の声を使いたくない場合や、外注で頼むにはコストがかかりすぎるというときに重宝するでしょう。
ナレーションについて知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
参考記事:動画にナレーションを入れたい!メリットと入れ方を解説
アテレコすればオモシロ動画にも!
既存の音声を消して別の音声を合成すれば、アニメのようなアテレコ風にも楽しめます。画像に声をあてたり、誰かと声だけを交換したりと、アイデア次第でさまざまなアテレコができるでしょう。パロディ動画などを作りたいときにもおすすめです。
音声を合成するときの注意点
動画に音声を合成する際は、いくつか注意点があります。おもに以下の3点に注意して作業を進めることをおすすめします。
保存ファイル形式を確認する
合成に使用する音声データは、動画編集ソフトの対応形式に合わせて保存する必要があります。また、音質の良さならWAV、データを軽量化したいならMP3などの違いがあるため、どのような形式で編集したいのか決めておくのも大切です。
読み上げできない文字がある
自動読み上げソフトには読み上げできない文字があります。動画のナレーションなどでこのようなソフトを利用する場合は、事前に仕様を確認しておくと安心かもしれません。ソフトによって、日本語のみ、英語不可、記号は読み取れない、といった特徴があります。
映像との違和感があることも……
もとの音声を消して新たな音声を合成する場合は、違和感をおぼえることも多いです。とくに自動読み上げソフトを利用する場合は、独特のイントネーションや機械っぽい声音が気になることもあるでしょう。自然な音声合成を目指す場合は、作品の雰囲気を損ねないかチェックするのがポイントです。
音声合成に便利な自動読み上げフリーソフト
さまざまなシーンに使える音声合成ですが、できれば簡単に済ませたいという人もいるかもしれません。そんな人におすすめの自動読み上げソフトを2つご紹介します。
テキストーク
日本語の文書を読み上げするソフトです。テキストファイルをドラッグ&ドロップするだけで、音声をWAV形式とMP3形式で保存できます。画面がシンプルなうえに操作も簡単なので、初心者でも問題なく利用できるでしょう。
現在読み上げている部分がわかる「読み上げ部分強調表示機能」や、読み上げない文字を事前に登録できる「読み飛ばし辞書機能」などが用意されています。
外部サイトへ:テキストーク
SofTalk
テキスト入力した文章ファイルを読み込んで自動読み上げできるソフトです。漢字・かな・英語が混合した文章にも対応しており、繰り返して読み上げるリピート再生にも対応。さまざまな音声がそろっており、女性、男性、ロボットなど自分の動画に合ったものを選択できます。
個人かつ非営利にかぎり無償利用が可能で、それ以外の場合はライセンス購入が必要なので注意しましょう。ファイルフォーマットはWAV形式です。
外部サイトへ:SofTalk
音声合成の編集機能のあるアプリ&ソフト
すでに録音ファイルがある場合は、動画編集ソフトで映像と合成していきます。そのようなときにおすすめの音声合成対応のアプリ&ソフトをご紹介します。
俺のアフレコ
合成音声やダウンロードした曲を作品に追加できる動画編集アプリです。動画の音声部分だけを別の動画に追加したり、アルバム内の音声を映像に追加したりできます。
始点や終点は、0.01秒単位で指定が可能。細かく制作したい人にちょうど良いでしょう。音量変更にも対応しており、完成した動画はMP4やMP3に変換して保存できます。
外部サイトへ:俺のアフレコ(iOS)
外部サイトへ:俺のアフレコ(Android)
VideoPad
誰でも簡単に使える日本語対応の動画編集ソフトです。デフォルトの音声ライブラリにBGMや効果音が豊富に用意されており、気軽に音楽やナレーションを追加できます。
そのほかにも、トリミング、分割、結合などの機能を搭載。50種類以上のエフェクトや切り替え効果も用意されているので、自分好みの動画編集が可能です。基本は有料ですが、無料ダウンロードできるお試し版が利用できます。対応環境はWindowsとMacです。
外部サイトへ:VideoPad
まとめ
動画に音声を合成すると、視聴者に内容を理解してもらいやすくなったり、オモシロ動画を作るのに役立ったりします。音声は自分の声をそのまま入れることもできますが、自動読み上げソフトを使うことも可能です。ただしソフトを使う場合は、読み上げできない言葉もあるので注意したほうが良いでしょう。
どのような音声を使うかは編集者によりますが、アイディア次第でさまざまな動画コンテンツを作れます。音声合成をうまく活用して、楽しい動画作成をしていきましょう!