VTuberにとってマイクは、配信に必須の機材です。
また、どのマイクを使用するかによって、配信の快適さが左右されると言っても過言ではありません。
「とりあえず安いマイクで始めてみようかな」と考えている方も多いかもしれませんが、
実はマイク選び次第で「聞き取りやすさ」や「臨場感」に大きな差が出ることも。
音質の良し悪しは、リスナーの満足度やチャンネルの成長にもつながるため、慎重に選びたいポイントです。
この記事では、これから配信を始める方でも自分にぴったりのマイクが選べるよう、専門用語をできるだけかみ砕いて解説します。
まずは、配信に使われるマイクの基本的な種類と特徴から見ていきましょう。
マイクの種類と特徴
VTuberが配信で使用するマイクには、主にダイナミックマイク・コンデンサーマイク・バイノーラルマイクの3種類があります。
それぞれのマイクには音の拾い方や音質、使いやすさに違いがあり、配信スタイルによって適したタイプが変わってきます。
まずは、自社VTuberの配信内容や活動環境に合ったマイクを選ぶために、各マイクの特徴と向いている用途をチェックしておきましょう。

ダイナミックマイク
頑丈で扱いやすく、雑音に強いのが特徴のマイクです。
音を拾う感度はやや低めですが、そのぶん周囲のノイズや環境音を拾いにくく、雑談配信やゲーム実況にぴったり。
また、コンデンサーマイクに比べて価格が手頃で壊れにくいため、配信初心者が最初に選ぶマイクとしても人気です。
反面、繊細な音の表現にはやや不向きなので、歌やASMR配信には不向きといえます。
メリット | 丈夫/ノイズに強い/手頃な価格 |
デメリット | 感度が低く繊細な表現には不向き |
おすすめの使い方 | 雑談配信・ゲーム実況・外部音が気になる環境での収録 |
コンデンサーマイク
感度が高く、繊細な音もクリアに拾えるマイクです。声の細かなニュアンスや息づかいも表現できるため、歌配信やナレーション、クオリティを重視した配信に最適です。
ただし、環境音やノイズも拾いやすいため、防音対策がされている静かな場所での使用が望ましい点には注意が必要です。
初期投資は少し高めですが、本格的に配信活動を続けたい人におすすめです。
メリット | 高音質/声の表現力が高い/プロも使用 |
デメリット | ノイズを拾いやすい/価格がやや高め/取り扱いに注意が必要 |
おすすめの使い方 | 歌配信・朗読・ナレーション・しっかりした音質で届けたい場面 |
バイノーラルマイク
左右の耳に音が届く、位置関係をリアルに再現できる特殊なマイクで、いわゆる「立体音響」が特徴です。
耳元でささやくようなASMR(自律感覚絶頂反応)コンテンツを配信したい場合は、このマイクが欠かせません。
使用にはある程度の知識と機材環境が必要で、価格も高めですが、リスナーに特別な体験を届けたいVTuberには強力な武器になります。
メリット | 臨場感のある立体音響/ASMRに最適 |
デメリット | 価格が高い/設置や設定にやや手間がかかる/配信内容が限定されやすい |
おすすめの使い方 | ASMR配信・癒し系コンテンツ・臨場感のある演出 |
それぞれのマイクにはメリットとデメリットがあるため、自社VTuberの配信スタイルや活動の方向性に合わせて最適なタイプを選ぶことが大切です。
雑談やゲーム実況なら手軽なダイナミックマイク、本格的な歌やナレーションにはコンデンサーマイク、ASMRに挑戦したいならバイノーラルマイクなど、
用途に合ったマイクを選ぶことで、視聴者が心地よく聴ける配信を実現できます。
ノイズの少ない端子を選ぶ
視聴者にとって聞き取りやすく、快適な配信を届けるためには、ノイズの少ない音声環境を整えることが重要です。
せっかく内容が面白くても、音声がブツブツと途切れたり、雑音が混じってしまっては視聴者の満足度は下がってしまいます。
実は、マイクの接続端子の種類によってもノイズの入りやすさが変わります。
VTuberがよく使う接続方式には、XLR端子・USB端子・イヤホンジャック(3.5mm)端子の3種類があり、それぞれに特徴があります。
ここでは、それぞれの接続形式の違いやメリット・デメリットを解説していきます。
自社VTuberの配信環境や目指す音質に合わせて、適切な接続方式を選ぶ参考にしてみてください。
XLR型

プロの現場でも使用される高音質な接続方式で、音声信号をノイズに強いバランス接続で伝送できるのが大きな特徴です。
配信用途では、オーディオインターフェースを介してPCに接続する必要があります。
XLR接続は、ノイズ耐性が非常に高く、安定したクリアな音声収録が可能なため、本格的なVTuber活動を目指す方におすすめです。
ノイズ耐性:非常に高い(長いケーブルでも安定)
メリット:高音質/ノイズが入りにくい/信頼性が高い
デメリット:インターフェースなど機材が必要/価格がやや高め
USB型

パソコンに直接接続できる手軽さが魅力のマイクで、機材を増やさずにすぐに配信を始められるのがポイント。
最近ではUSBでも高音質な製品が増えており、初心者~中級者に人気です。
ただし、USBはデジタル信号の伝送であり、PC本体のノイズや処理性能の影響を受けやすいため、マザーボードの品質によっては小さなノイズが混入することもあります。
ノイズ耐性:中程度(環境により差が出る)
メリット:接続が簡単/追加機材が不要/比較的安価
デメリット:PCノイズの影響を受ける場合あり/録音品質に限界あり
イヤホンジャック型(3.5mmステレオミニプラグ)

スマートフォンやノートPCにもよく使われる一般的なアナログ音声端子で、安価なヘッドセットなどによく採用されています。
ただし、ノイズ耐性が低く、音質は最も劣るため、配信クオリティを重視する場合はあまり推奨されていません。
また、ノートPCのイヤホンジャックはマイク端子と共通であることも多く、ノイズ混入や音割れが起きやすいのもデメリットです。
ノイズ耐性:低い(外部干渉や機器の性能に大きく左右される)
メリット:価格が非常に安い/手軽に使える
デメリット:音質が悪い/ノイズが入りやすい/設定トラブルが起きやすい
配信の音質を左右する接続端子の選び方は、ノイズ対策の第一歩です。クリアで聴き取りやすい音声は、視聴者の満足度を高め、リピートにつながります。
機材にこだわりたい方はノイズに強いXLR型を、まずは気軽に始めたい方はUSB型を、できるだけコストを抑えたい方はイヤホンジャック型を選ぶと良いでしょう。
自社VTuberの配信スタイルや予算に合わせて、最適な接続形式を選ぶことが大切です。
VTuber配信に適したマイクの指向性
マイクにはそれぞれ「どの方向からの音をどれだけ拾うか」という指向性があり、収録環境や用途に応じて適したタイプを選ぶことが重要です。
VTuber配信では、自分の声をクリアに届けつつ、生活音や反響などのノイズを抑える必要があります。
そのため、マイクの指向性を理解して選ぶことで、音質のクオリティに大きな差が生まれます。
ここでは、無指向性・双指向性・単一指向性の3つの基本タイプについて、それぞれの特徴と、適性について解説します。
自社の配信環境に合った指向性を知り、マイク選びに役立てましょう。
無指向性
特徴 | 全方向の音を均等に拾うマイクです。 前後左右の区別なく周囲の音を録音できるため、自然な環境音をそのまま収録するのに適しています。 |
VTuber配信での適性 | 無指向性は、複数人でのトークや、声だけでなく環境音も含めて伝えたいシーンで活躍します。 しかし、生活音や室内の反響音なども拾いやすいため、自宅でのソロ配信には不向きな場合があります。 |
双指向性
特徴 | 前後の音を拾い、左右の音は拾いにくいタイプです。 インタビューや対面トークなど、マイクの両側から声を収録する場面に向いています。 |
VTuber配信での適性 | 対談形式の配信や、1本のマイクを2人で共有するコラボ配信などに適しています。 ただし、1人での配信にはオーバースペックとなることが多く、一般的なVTuber活動での使用頻度は低めです。 |
単一指向性
特徴 | マイクの正面からの音に強く反応し、横や背面からの音は拾いにくい設計。 外部ノイズや環境音の影響を最小限に抑えることができます。 |
VTuber配信での適性 | 最もポピュラーで、ソロ配信やナレーション、ゲーム実況などに最適。 視聴者にクリアな音声を届けやすく、初心者から上級者まで幅広く選ばれています。 |
配信スタイルや環境に応じてマイクの指向性を選ぶことで、不要なノイズを減らし、視聴者にとって心地よい音声を届けることができます。
とくにVTuber配信では、自分の声をしっかり届けることが信頼やファン獲得につながる大切な要素。
指向性の違いを理解したうえで、用途に合ったマイクを選びましょう。
VTuberにおすすめのマイク4選
VTuber活動では、配信の聞き心地が視聴者の印象を左右します。
ここではコスパ重視・価格重視・音質重視の3つの視点から、おすすめのマイクを厳選して紹介します。

audio technica AT2020
定番のコスパが高いマイク
プロの配信者やナレーターにも支持されているモデル。
この価格帯で得られる音質としては非常に高評価。
XLR接続のため、オーディオインターフェースは別途必要ですが、将来の配信環境拡張にも◎
端子:XLR
指向特性:単一指向性
価格:¥14,520(税込)
FIFINE K669
端子:USB
指向特性:単一指向性
価格:$ 31.99 USD
logicool Yeti
高音質マイク
USB接続にもかかわらず、コンデンサーマイクとしては非常に高音質。
単一指向性だけでなく、無指向・双指向など4つのモードを切り替えられるため、シーンに応じた使い分けも可能です。
端子:USB
指向特性:単一指向性/双指向性/無指向性/ステレオ
価格:¥24,750(税込)
RODE NT1 5th Generation
USBとXLRに両対応
USBとXLRの両方に対応したハイブリッドモデル。
初心者はUSBから、慣れてきたらXLRで本格運用といったステップアップが可能。
音質も非常に高く、長く使える1本です。
端子:XLR/USB
指向特性:単一指向性
価格:¥50,000円前後
自社VTuberの配信スタイルや予算、音質のこだわりに応じてマイクを選ぶことで、より視聴者にとって魅力的で、快適な配信環境を整えることができます。
とくにVTuberとして活動を始めたばかりの方は、長く使えるマイクを選ぶことで、将来のステップアップにもつながります。
まずは自分に合った1本を見つけて、配信の第一歩を踏み出しましょう。
最適なマイクで配信を快適に!
配信の音声は、VTuberの印象を大きく左右する重要な要素のひとつです。
今回ご紹介したマイクの種類や接続方式、指向性の違いをしっかり把握することで、配信環境や目的に合ったマイク選びができるようになります。
快適で聞き取りやすい配信環境を整えれば、視聴者の満足度も高まり、ファンの定着にもつながります。
最適なマイクを選んで、自社のVTuber活動をさらにレベルアップさせましょう!
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