YouTuberが注目を集める昨今、バーチャルキャラクターを使った配信者・VTuberもひときわ注目を集めるようになりました。
今やVTuberは、企業のブランディングや顧客とのエンゲージメント強化に効果的なマーケティング手段として認知されるようになりました。
本記事では、VTuberモデルの制作方法、必要な機材やツール、運用コスト、配信戦略などのポイントを解説します。
VTuberの可能性と企業での活用メリット
VTuberは、企業のブランド認知度を高め、顧客とのエンゲージメントを強化する新しいマーケティング手段として注目されています。
VTuberとのタイアップ以外にも、自社でVTuberを制作し、運用している企業もあります。
VTuberを活用するメリットは、大きく分けて2つあります。
まず1つ目のメリットは、インフルエンサーとしての側面から、若年層を中心としたターゲットに向けて、高い広告効果が見込めることです。
VTuberを広告に起用することで、自社の製品に触れる機会のなかった若年層でも、
ファン心理からVTuberを応援する目的で商品を購入する可能性が高まります。
また2つ目のメリットとして、バーチャルキャラクターを使用するその特性から、企業の商品やサービスを親しみやすく紹介できることが挙げられます。
リアルタイムでのコメント応答やファン参加型イベントにより、顧客との双方向コミュニケーションが生まれるため、
YouTubeだけでなくX(旧Twitter)やInstagramなど、SNSでの拡散力も高まります。
特に人気のVTuberだとXのトレンドにあがることで、さらに多くの人の目につきやすくなります。
VTuberは企業のマーケティングに革新をもたらし、
これまでの広告手法では届きにくかった若年層のターゲットなどに効果的にアプローチできます。
今後、企業のブランド価値を高め、新しい顧客層との関係を築くためには、
積極的なVTuber起用が求められると言っても過言ではないでしょう。
VTuberの作り方をステップで解説
VTuberを作るためには、キャラクターデザインから配信環境の整備まで、いくつかの重要なステップを踏む必要があります。
こちらではVTuberの作り方を、主な3ステップに分けて解説します。
- VTuberのコンセプトや活動方針を決定する
VTuberキャラクターを制作するために、重要なのがコンセプトと活動方針です。
キャラクターモデルを作るためには、
キャラクターの性格や、どのように活動していくのかなどを明確にしておかないと、
目指すVTuber像にブレが生じてしまうからです。
また、イラストを外注する場合にもキャラクターのプロフィールを決定しておくことによって、理想のキャラクターを描いてもらいやすくなります。 - VTuberの種類を決定する
VTuberの種類は、大きく分けて2Dと3Dの二種類があり、それぞれ使用ソフトが異なります。- 2Dは、2Dイラストの画風を保ったままキャラクターを動かせます。
基本的に上半身のみとなりますが、キャラクターの表情が豊かで繊細な表現がしやすいことや、作業量の割りにコストを低く抑えられることがメリットです。 - 3Dは「VRoid Studio」などのツールを使用します。
2Dに比べるとキャラクターを立体的に動かせたり、メタバースや3D空間などに範囲を広げやすいことがメリットですが、表情が乏しくなりがちなことや、制作には時間もコストもかかる点がデメリットと言えます。
どちらも一長一短あるため、活動方針に合わせて2Dか3Dかを決定しましょう。
- 2Dは、2Dイラストの画風を保ったままキャラクターを動かせます。
- トラッキングソフトでVTuberキャラクターを動かす
Live2Dで動かす場合は、「VTube Studio」や「nizima LIVE」、「Animaze」が代表的なトラッキングソフトです。
無料版と有料版があるため、対応可能OSと合わせて確認しておきましょう。
3Dモデル用は、「Animaze」や「3tene」、「Luppet」、「VMagicMirror」などがあります。
こちらも価格なども併せて比較検討することをおすすめします。
これらのステップを踏むことで、初心者でもVTuberとしての活動を無理なく始められます。
制作ツールや配信ソフトの選定が成功の鍵となるため、コンセプトや活動方針に合った方法を選びましょう。
2D・3D?VTuberモデル制作の基本フロー
VTuberモデルの制作は、キャラクターデザインからモデリング、トラッキングの設定まで、一連のプロセスを順序立てて行う必要があります。
各工程をしっかりと理解することで、理想のVTuberモデルを完成させることができるでしょう。
キャラクターデザインやモデリングの選択と制作、トラッキングの動作設定の工程について解説します。
キャラクターデザイン
キャラクターデザインの制作方法には以下の4つの方法があります。
- 自分で描く
自分で描く場合は、自分のオリジナルキャラクターにできるほか、コストがかからないという点がメリットです。
しかし、イラストはスキルによってクオリティが左右されることや、描くのに時間を要するというデメリットがあります。 - イラストレーターに依頼する
プロのイラストレーターに依頼するとクオリティはもちろんのこと、しっかりとコンセプトと活動方針を伝えておけば理想のVTuberモデルが完成する可能性が高いです。
人気の高いイラストレーターの場合は予約待ちになることも多いので、自分の好きなイラストレーターに制作を依頼する場合は、事前に調べておくことが大切です。 - 完成済みキャラクターを購入する
創作物販売サイトで、すでにデザインが出来上がっているキャラクターを購入するのも方法のひとつです。BOOTHやnizimaなどの、創作物販売サイトで、自分好みのキャラクターデザインを探してみましょう。
コストを抑えたい場合や、お試しとしてキャラクターを動かしてみたい場合は、無料でダウンロードできるキャラクターデザインを利用してみても良いでしょう。 - 制作会社に依頼する
ビジネスや商用利用を前提にVTuberを始める際は、制作会社に依頼するのも手です。
イラストレーターとの個人間のやり取りで起こるようなトラブルを回避できます。
その場合、自分好みのイラストレーターが在籍していないと、思ったようなキャラクターデザインにならないことがあります。
モデリングの選択と制作
キャラクターデザインが決まったら、動かすためのモデリングが必要です。
「Live2Dモデリング」は、多くのVTuberが使用しており、平面上でキャラクターを動かすことができます。
「3Dモデリング」は、立体上でキャラクターを動かせるため、ダンスなどの複雑な動きが可能となります。歌える場合は3Dモデルを使用したライブ開催も行なわれます。
トラッキングと動作設定
2Dモデルの場合、VTube Studioを利用しますが、キャラクターに自然な動きをさせるためには、事前に細かなトラッキングの動作設定をしておくことが必要不可欠です。
この設定をしておかないと、キャラクターの目が半開きになったりなど、不自然な表情になりかねません。
トラッキングパラメータを設定する項目は、移動の設定、物理演算(揺れ)、目の開閉、笑顔、眉の上下、口角と口の開閉、体の動きなどがあります。
VTuberモデルの制作は、設計からモデリング、トラッキングまでの一連の流れをスムーズに進めることが成功の鍵となります。
用途に合わせたデザインと技術の選定を行い、各工程を丁寧に進めることで、自分の理想のモデルを完成させることができます。
また、モデリングやトラッキング技術の進化に対応するため、最新ツールを活用しながら継続的に改善していくことも重要です。
VTuber制作に必要な機材とツール
VTuberとして配信活動を円滑に行うためには、モデルのトラッキングや配信に対応するための適切な機材とツールが不可欠です。
PCやWebカメラ、各種ソフト、音声機材について解説していきます。
- PCとWebカメラ
活動内容が、ゲーム配信の場合、ゲームの配信と同時にキャラクターを動かさなければならないため、高性能なPCが必要です。
PCを選ぶ時は、グラフィックボードとCPUに注目しましょう。
Webカメラは720p以上の画質と60°以上のが書く、30fps以上のフレームレートがあれば十分です。また、顔バレ防止用にシャッター付きのものを選択しましょう。 - トラッキング用ソフトとツール
トラッキング用ソフトは前述したように、2Dの場合は「VTube Studio」、3Dの場合は「Animaze」です。
どうしても機材が準備できない場合には、スマホで使えるアプリ「IRIAM」や「Mirrativ」、「カスタムキャスト」などがあります。
そして、3Dモデルを動作する時に必要なのがトラッキング機材。
バストショット特化型の3D VTuber向けトラッキングシステム「Luppet」を使用する場合は、手や指の動きをトラッキングさせるための、小型のモーションキャプチャー「Leap Motion」などの追加機材も必要となります。 - 配信ソフトとプラットフォーム対応
適切な配信ソフトを選ぶことで、クオリティの高い配信が可能となります。
選ぶポイントは、操作性、互換性、機能性、価格です。これらのポイントに注目して、自分に合ったツール・ソフトを選びましょう。
また、YouTube、ニコニコ動画を筆頭に、数多くの配信サービスが存在するため、活動方針に合ったプラットフォームを選ぶことが重要です。 - 音声機材
VTuberにとって声はファンを獲得するために重要な要素のひとつです。
マイクは数千円~数十万円とピンキリですが、配信のクオリティ向上のためには、一番コストをかけるポイントであることは間違いありません。
VTuber活動を成功させるためには、PCやWebカメラ、トラッキングソフト、配信ツールといった基本的な機材が必要不可欠です。
また、活動の内容に応じてマイクやLeap Motionなどの追加機材を導入することで、より高品質な配信が可能になります。
VTuber制作・運用にかかる費用
VTuberの制作・運用には、モデル制作費や配信に必要な機材、運営にかかる諸費用など、多岐にわたるコストが発生します。下記で詳しく紹介します。
- モデル制作費
依頼するイラストレーターや制作会社により価格は変動しますが、2Dでキャラクターモデルを依頼する場合には、50万~100万程度、3Dモデルの場合は、200万~500万程度かかります。
初期費用を抑えるためには、2Dのほうが始めやすいと言えるでしょう。 - 配信機材とソフトの費用
2Dの場合は、高くても100万円以内で揃えることができますが、3Dの場合は、キャラクター完成後にモデルを動かすスタジオや機材が必要となり、
トップの3DモデルVtuberともなると、光学モーションキャプチャーと呼ばれるソフトを使用しており、1000万円以上の費用がかかることも。 - 運用費用
2Dの運用費用は30万~50万、3Dは50万~80万程度かかります。
ゲーム実況や雑談配信などでは、ほぼLive2Dを使用することになるため、ハイスペックPCでなくとも、配信を始めることができます。 - 長期的な運用コスト
日々移り変わるトレンドや新しい技術を手にするために、勉強のための教材購入や新たな機材も購入する必要があります。
しかし、それも重要な投資であり、広告運用を計画的に行なうことで、かかる費用を回収できるようになるでしょう。
VTuberの制作と運用には、モデルの種類や配信規模に応じてコストに変動がありますが、
適切な機材やソフトの選定、計画的な広告運用により、費用対効果を高めることが可能です。
無料で試せる方法はある?
VTuberの制作は高額な費用がかかるイメージがありますが、現在では無料で試せるツールやサービスが数多く提供されています。
これらを活用することで、コストを抑えつつ気軽にVTuber活動を始めることが可能です。
- 無料のアバター制作ツール
時間や手間はかかりますが、無料でアバターを作ることができる制作アプリがあります。
専門スキルがなくても、キャラクターをカスタマイズできる「Vroid Studio」や、
アバターが無料配布されている「BOOTH」でキャラクターをダウンロードすることもできます。 - 無料のトラッキング・配信ソフト
無料アプリ「REALITY」は、アプリ内で制作したアバターを使って配信できるほか、トラッキングも可能です。
スマホ1台で完結できるため、機材にコストをかけられない場合に有効な手段です。 - メリットと注意点
無料のアバターやトラッキング・配信ソフト使う場合のメリットは何と言っても、思い立った時にすぐ試せること。気軽に始めやすいのが魅力です。
注意点としては、商用利用が許可されているアバターを使用すること。
許可されていないアバターだと収益化ができなくなるだけでなく、急なアバター変更はリスナー離れの原因となります。
また、無料アバターだとオリジナリティを出すのが難しい点も考えておきたい点です。
長期的な活動を考えて、キャラクター制作を依頼したり、自らオリジナルキャラクターを生み出すことは、必要投資と言えます。
VTuber制作は、無料ツールを活用することで、費用をかけずに気軽に挑戦できますが注意点をふまえて活動することが大切です。
VTuber施策を成功させるために
VTuber施策を成功させるためには、計画的な準備と継続的な運用が重要です。
ターゲット層に合ったキャラクターデザインを企画しモデルを制作。
配信環境を整え、SNSと連携して効果的なプロモーションを実施していきましょう。
視聴者の意見を反映しながらコンテンツを改善していくことで、
ファンの定着と長期的な成長を実現し、企業ブランディングの強力な手段となるでしょう。
VTuberの制作依頼は「cone」にご相談ください
coneは、依頼時の仕様作成や最適なクリエイターのご紹介、クリエイターとのやり取り、契約まわりなどの「依頼〜納品完了」までを経験豊かな専任アドバイザーが、無料でサポートしている法人向けに特化したプラットフォームです。
coneでは、Vtuberではさまざまなタイプのキャラクターデザイン、イラスト制作やモデリング制作に対応したクリエイターが多数在籍しています。
「Vtube制作について相談したい」という方は、以下からお気軽にご相談ください。
「coneについて詳しく知りたい」という方は、下記をご覧ください。