ペンや絵具などで描いたアナログイラストには、インクの滲みや紙の質感など、デジタルイラストとはまた違った魅力がありますよね。
しかし、アナログでイラストを制作するには、専用の画材や道具が必須になります。
画材の種類もかなり豊富で、何から買えばいいのか悩んでしまう人もいるかもしれません。
今回の記事では絵描き初心者の方向けに、アナログイラスト制作用の画材をご紹介していきます。
アナログイラストに興味を持っている方は、是非参考にしてみてくださいね!
ペン・鉛筆系の画材を紹介
イラスト制作は下書きから始まるもの。
まずは、下書きから線画の作成までに必要な道具をご紹介していきます。
【鉛筆】
多くの人に馴染み深い鉛筆といえば、2B~HBあたりの濃さでしょうか。
鉛筆に記されている「H」は芯の硬さ(Hard)、「B」は色の濃さ(Black)を表しており、
- 芯が硬く、色が薄いH~10H
- 中間色のF(Firm)、HB
- 芯が柔らかく、色が濃い2B~10B
など、幅広い濃さに分かれています。
デッサンをする際には、これらを使い分けて微妙な濃淡を表現します。
何種類かの鉛筆がセットになっている商品もありますが、イラストの下書きに使う程度であれば、使いやすい2B~HBあたりの鉛筆があれば不便はないでしょう。
【シャープペン】
シャープペンの芯は鉛筆より細く、細かい箇所の描き込みに便利です。
逆に寝かせて使うことができず、筆圧が強くなりがちなため、デッサンや柔らかい紙に描く時には不向きかもしれません。
芯の太さは0.3mm~0.9mm程度のものがあり、用途によって使い分けられます。
【Gペン・丸ペン】
Gペンや丸ペンは、インクや墨汁をペン先につけて描くつけペンの一種。
主に漫画制作に使われますが、イラストの主線を描く際にも使えます。
Gペンは太めで強弱のある線が描け、丸ペンは細く緻密な線を引くことができ、かなり描き味に差があります。
普通のペンとは勝手が違い、こまめな手入れやペン先の交換が欠かせませんが、慣れれば思い通りの柔らかい線が引けるようになるでしょう。
【筆ペン】
1本持っておくと便利なアイテム。
水でにじみやすい染料インクのものと、にじみにくい顔料インクのものがあります。
どちらを使うかは好みですが、イラスト用として使うなら水でにじまず、乾きの早い顔料インクがおすすめです。
【ドローイングペン】
均一な太さの線を引くのに適したペン。
線画やドローイング、ペン画などに使われるほか、漫画の枠線、ベタ塗り時の縁取りにも多用されています。
水で着彩できる、水彩系の画材
続いて、水を使って着彩する水彩系の道具についてご紹介していきます。
水彩絵具やインクは透明度によって仕上がりや使い方にかなりの差があるので、どれを使うかじっくり吟味していきましょう。
【透明水彩絵具】
透明水彩絵具は、水彩絵具の中で最も透明度が高く、下に描いた線や下地の色が出やすい特性があります。
紙そのものの白を残した繊細な表現をするのに適しており、基本的に白い絵具は使いません。
また、乾いても耐水性にならないため、一度固まってしまった絵具も溶かして使えます。
【アクリル絵具】
アクリル絵具は水彩絵具と比べて耐久性が高く、時間が経っても変色やひび割れなどが起こりにくくなっています。
紙やキャンバスだけではなく、金属やコンクリートなどに描画できるのもポイント。
また、アクリル絵具の中でも、不透明なものはアクリルガッシュと呼ばれ、重ね塗りに向いています。
【ポスターカラー】
マットな発色で重ね塗りができ、値段が比較的安いのが特徴。
基本的にはあまり水を加えず、不透明さを活かして使う場合が多くなっています。
乾くと色が変わりやすいので、のちのち変色することを計算して配色するといいでしょう。
【カラーインク】
イラストの着色に適したインク。
透明度が高く発色の良い画材で、仕上がりが非常に美しくなりやすい特徴があります。
ただし耐光性が低く退色しやすいため、初心者の方が使いこなすのは少々難しいかもしれません。
手軽に使えるパステル系画材
ここまで水彩系の画材をご紹介してきましたが、水を使わない手軽な画材もあります。
以下からご紹介していきますので、参考にしてみてください。
【色鉛筆】
子供から大人まで馴染み深く、使いやすい画材の一つ。
絵具のように水を用意する必要がなく、入手も難しくないため、初心者の方でも買いやすいのではないでしょうか。
12色や24色のセットで売られていますが、おすすめは色数の多い36色セットです。
メーカーによってかなり発色に違いがあるので、サンプルがあれば色を確認してから購入したほうがいいでしょう。
【パステル】
粉末の顔料を固めた画材。
チョークのように柔らかめの「ソフトパステル」、硬めで定着しにくい「ハードパステル」、
クレヨンのように厚く塗れる「オイルパステル」など、硬さや特性の異なるいくつかの種類があります。
ソフト・ハードパステルで描いた作品にはフィキサチーフのような定着液が必須となりますが、オイルパステルには必要ありません。
相性のいい紙を使おう
画材がその真の力を発揮するのは、相性のいい紙とセットで使った時。
ここからは、主な紙の種類や、それぞれに相性のいい画材をご紹介していきます。
【ケント紙】
製図やパンフレット、チラシなどのデザインに使われる紙。
硬めでツルツルとした滑らかな表面が特徴的で、鉛筆や油性ペンなどの画材と相性がいい傾向があります。
【画用紙】
印刷用や包装用など、様々な用途に使われる便利な紙。
鉛筆や水彩絵具、パステルなどと相性がよく、厚めの画用紙は特に水彩絵具に向いています。
【水彩紙】
表面の凸凹が多く、水彩絵具と相性のいい紙。
種類によって目の粗さが異なり、目が細かいものは色が伸びやすく、荒目になるにつれてかすれやすくなる傾向があります。
質のいい水彩紙は値段も高めになるので、先に水彩絵具を使ってみて、自分に合っているか確認してから購入を検討するといいかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はさまざまな画材についてご紹介しましたが、選ぶ画材は人それぞれ、相性の良い画材も人それぞれです。
画材は使ってみて初めて自分との相性が分かるので、今回ご紹介した中で気になった画材があれば、安めの物を買って、いろいろ試してみるといいでしょう。
長く使っていける画材と出会うためにも、じっくり時間をかけて検討してみてくださいね。