BtoB企業や個人事業主の中には、「自社サービスをもっと効果的にPR・プロモーションしたい」「資料やサイトが文字ばかりで堅苦しく、ターゲットに届いていない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
近年では、BtoB領域でも漫画・キャラクターを活用する企業が増加しています。複雑なサービス内容を視覚的に伝える営業・教育施策だけでなく、ブランドの魅力を高めるマーケティング施策としても活用されています。
そこで、本記事ではBtoB企業が漫画・キャラクターを活用するメリットや業界別の具体的な活用事例についてわかりやすく解説します。
目次
BtoB向けイラストの役割
BtoB企業が扱うサービスや製品は、技術的・専門的な内容が多く、文章や図表だけでは伝わりにくいことがあります。しかし、漫画・キャラクターを活用することで、情報の理解促進や企業イメージの向上につながります。
ここでは、BtoB向けサービスにおいて漫画・イラストを活用する役割を解説します。
サービスの複雑な内容を視覚的に共有できる
文章やグラフだけでは理解しにくいサービス内容も、漫画形式やキャラクターを用いた図解で視覚的に示すことで、短時間で全体像を理解できます。営業資料やウェブサイト、SNS投稿に活用することで、顧客や社内関係者への情報共有がスムーズになり、プロモーション効果も高まります。
親近感や愛着を与える
ビジネス色の強いBtoB分野では、相手に無機質な印象を持たれやすいという課題があります。そこで、オリジナルキャラクターを「企業の顔」として起用・展開することで、親しみやすさが生まれ、ブランドへの愛着も高まります。
長期的なキャラクターマーケティングとして継続的に登場させることで、企業認知度も向上します。
情報の印象定着と競合との差別化を図る
文字中心の資料に比べて、漫画・イラストは視覚的インパクトが強いため、情報の印象が残りやすいという利点があります。まだ導入していない企業が多い分野では、漫画やキャラクターを活用すること自体が競合他社との差別化施策となります。
漫画・キャラクターを活用した業界別の活用事例
BtoB分野では「専門性が高くて伝わりにくい」という課題を抱えるサービスほど、漫画やキャラクターを活用したビジュアル化が効果的です。ここでは、漫画・キャラクターを活用した業界別の活用事例と活用効果について紹介します。
IT業
IT業での漫画・イラストを活用した事例として、ここではキントーンを提供している「サイボウズ株式会社」の事例を紹介します。
キントーンは、「プログラミングの知識がなくても、ノーコードで業務に関連するアプリを作成できるクラウドサービス」です。しかし、概要を説明されてもいまいち理解できない方も多いでしょう。
そこで、サービス未導入時と導入後を比較する漫画を制作し、業務効率化というベネフィットを視覚的に伝える施策を実施しました。この漫画を読むことで、キントーンがどのようなサービスなのかよく理解できるでしょう。
このように、IT業界では、複雑なIT技術が使用されており、技術用語やシステム構成の説明が抽象的になりやすいという特徴があります。
そのため、専門知識がない取引先や顧客、社内の従業員にサービスを使用する際に、漫画で登場人物がサービスを使うストーリーを描くことで、ユーザーは自分ごととして捉えやすくなります。
食品業(健食業)
食品業での漫画・イラストを活用した事例として、ここでは健康食品のOEMを手掛ける株式会社京都真創の「漫画で分かる健食業界新規参入!?」を紹介します。

健康食品やサプリメント業界は、商品開発から製造、販売、薬機法などの法規制対応まで、多くの専門知識が必要となる複雑な業界です。そのため、新規参入を検討する企業や個人にとっては、全体像をつかむのが難しいという課題があります。
株式会社京都真創では、こうした参入検討者向けに「漫画で分かる健食業界新規参入!?」という漫画コンテンツを制作し、業界の流れやよくある失敗例、成功のポイントをストーリー形式で紹介しています。漫画の中では、登場人物が悩みながらもOEM製造を通じて自社ブランド商品を開発していく様子が描かれ、読むだけで健食業界への参入ステップがイメージできるようになっています。
金融業
金融業での漫画・イラストを活用した事例として、ここでは金融経済教育推進機構の「マンガで学ぶ!金融経済」を紹介します。
これは学生や若年層向けなどのBtoC向けに作られた教育コンテンツであり、直接的なBtoB営業資料ではありませんが、「複雑な金融知識を漫画で簡潔に伝える」という有効性を示す好例です。
金融業界では、専門用語や複雑な仕組みが多いため、BtoB向けの営業資料やサービス紹介では「内容が難しく伝わりにくい」という課題があります。特に法人向け金融商品や証券関連サービスは、契約までのステップや法規制などが多く、文字情報だけでは理解が追いつきにくい傾向があります。
そのため、金融システム導入の提案や複雑な契約・法制度の説明を行う際には、漫画・イラストは「専門外の相手にも誤解なく伝える」ための強力な手段となるでしょう。
製造業
製造業での漫画・イラストを活用した事例として、ここではATENジャパン「マンガでわかる!中央監視で情報共有」を紹介します。
製造業では、管理プロセスや運用ルールなど、複雑で抽象的な情報をわかりやすく伝えることが課題となります。こうした課題に対して、ATENは漫画形式で情報を整理・可視化した資料を提供しています。
この漫画は、ストーリー仕立てで「問題 → 解決 → 効果」の流れを示すことで、読者が自分の業務に置き換えて理解しやすくなります。文章や図だけでは伝わりにくい内容も、漫画を通じて直感的に理解できることが大きなメリットです。
さらに、ATENの取り組みでは、漫画をウェブサイトに直接掲載するのではなく、ダウンロードには担当者情報の入力が必要となっています。この仕組みによって、漫画を読むという価値提供をきっかけに、見込み顧客のリード(連絡先情報)を獲得することができます。つまり、漫画を単なる資料として使うだけでなく、BtoBマーケティングにおけるリーチ拡大や見込み顧客獲得のツールとしても活用できるのです。
企業の失敗例から学ぶ漫画PRの成功パターンについては、以下の記事も併せてご覧ください。
【関連記事】:【成功への近道】資料やPRに漫画を使用した企業の失敗例から学ぶ!
専門性が高い分野でイラストを効果的に使う方法
BtoB分野では、技術やプロセスが複雑で専門性が高いため、文章や表だけで情報を伝えるのは難しいことが多いです。そのため、キャラクターや漫画、イラストを適切に活用することで、理解促進や印象定着、資料の魅力向上に大きな効果を発揮します。
ここでは、専門性が高い分野でイラストを効果的に使うための具体的な方法を解説します。
プロセス図を取り入れる
複雑な業務フローや製造プロセス、システム構成を、イラストや漫画で図解することで、全体像と各工程の関係性を一目で理解できます。文字だけではわかりにくい手順やルールも、アイコンやキャラクターを配置することで、直感的に把握できるようになります。
例えば、製造工程の各ステップをキャラクターが担当する姿で表現し、「どこで、どのような作業が行われるか」を示すといった方法が有効です。
キャラクターを活用する
専門知識が必要な分野でも、登場人物が解説役や体験者として登場することで、難しい内容もストレスなく学べるようになります。キャラクターの表情や行動で状況を示すことで、情報に感情的な理解が加わり、記憶への定着率が向上します。
例えば、ITサービスの導入手順をキャラクターが操作する漫画にすることで、模擬体験のような感覚が得られ、専門知識がない人でも理解しやすくなります。
ストーリーテリングで共感させる
読者が自分ごととして情報を受け取れるようにするには、「問題 → 解決策 → 効果」といった流れのストーリーを描くと効果的です。サービス導入後のメリットや成果を、登場人物の体験を通して伝えることで、読者は導入イメージを具体的に持つことができます。
例えば、「取引先情報の管理に手間取っていた営業部社員が、営業支援ツールを導入したことで業務効率化に成功した」という流れで描くと、自社にも当てはまるかもしれないという共感を得られます。
イラストで直感的に理解できるユーザーインターフェース(UI)に
ソフトウェアやWebサービスの操作手順を、画面イメージとキャラクターを組み合わせて解説することで、操作方法を直感的に理解できるようになります。誤操作を減らし、研修やマニュアルとしての効果を高めることが可能です。
例えば、クラウドサービスの管理画面をキャラクターがポイントを指示しながら操作するマニュアルなどを作成すると、専門知識がない新入社員や取引先にも分かりやすく伝えられます。
【関連記事】:公式キャラクター作成テンプレート【決定版】失敗しない愛されるオリジナルキャラクターの作り方
展示会・ウェビナーで差別化!キャラクター・漫画を使った目を引くビジュアル活用法

BtoB企業が展示会やウェビナーで競合と差別化を図るには、来場者や参加者の注意を引くビジュアルが重要です。文字や写真だけでは印象に残りにくいですが、キャラクターや漫画を活用することで、ブースやオンラインイベントへの誘導率を高めることができます。
ここでは、業界別のキャラクター・漫画を活用する方法を紹介します。
【工業・化学業界】安全・技術情報を親しみやすく伝える
工業・化学業界では、製造プロセスや安全対策、法規制の遵守など、専門性の高い情報が多く、展示会や営業資料ではその複雑さが障壁になることがあります。特に化学物質の取り扱いや装置の操作手順などは、文章だけでは理解が追いつかず、来場者に正しい情報や魅力を伝えるのが難しい分野です。
こうした業界では、漫画やキャラクターを使うことで、具体的な作業や手順をストーリーとして示し、直感的に理解してもらうことができます。
【利用シーン】
- 展示会での製造工程や安全対策の紹介パネル
- 製品の使い方や注意点を漫画で解説した配布資料
キャラクターが操作や手順を示すことで、専門的な内容も直感的に理解でき、文字や図だけでは伝わりにくい情報も把握しやすくなります。また、ブースで目立つビジュアルとして、来場者の足を止めてもらいやすくなります。
【人材サービス業界】サービス内容や導入効果を直感的に理解
人材サービス業界では、研修プログラムや人材育成サービスの内容は、多くの企業にとって抽象的で、導入メリットがイメージしにくいことがあります。特に新人教育やスキルアップ施策の説明は、受講者側の状況や効果を想像しにくく、参加者に「自社で活用するとどうなるか」が伝わりにくいのが課題です。
漫画形式を活用することで、社員や受講者の体験を登場人物として描き、ストーリーを通じて導入後のメリットを具体的にイメージしてもらうことができます。
【利用シーン】
- ウェビナーやオンラインセミナーでのサービス紹介資料
- キャラクターが社員や受講者として登場する説明漫画
複雑な研修内容や制度も、ストーリー形式で具体的に示すことで理解しやすくなります。さらに、親しみやすい印象を与えることで、参加者の関心を引き、問い合わせや資料請求などの行動につなげやすくなります。
その他の活用例
- IT・ソフトウェア業界
新製品やクラウドサービスの機能紹介を漫画で解説することで、ダウンロード資料やデモ動画への誘導がスムーズになります。 - 製造業・物流業界
安全教育や業務フローを漫画で説明することで、展示会来場者に情報を効率的に理解してもらえます。説明時間を短縮しつつ、訴求力を高めることが可能です。
漫画・キャラクター制作に関してよくあるQ&A
ここでは、「BtoB企業や個人事業主の漫画・キャラクター制作」について、よくある質問と回答をQ&A形式でまとめています。
Q:キャラクターを活用したマーケティング(キャラマーケティング)とは?
A:キャラクターを企業やサービスの象徴として活用し、商品説明やサービス紹介、広告、展示会などで親しみやすく伝えるマーケティング手法です。
BtoBの場合、難しい技術や複雑なサービス内容も、キャラクターや漫画を通じて視覚的にわかりやすく説明することで、顧客や取引先に理解してもらいやすくなります。また、資料やウェビナーでの誘導、リード獲得にも活用できる点が特徴です。
Q:企業にとってキャラクターを活用するメリットは?
A:キャラクターを活用することで、次のようなメリットがあります。
- 難解な商品やサービス内容を直感的に理解してもらえる
- 親しみやすい印象を与え、問い合わせや資料請求などの行動促進につなげられる
- 展示会やウェビナーでの注目度・差別化につながる
- 社内資料や研修で、教育効果・理解定着を高められる
BtoB企業においても、導入前後のメリットをストーリー形式で伝えることで、取引先や顧客の意思決定をサポートできます。
Q:企業キャラクターの役割は?
A:企業キャラクターは、「かわいいイラスト」ではなく、ブランドのメッセージを伝えるコミュニケーションツールです。具体的には、以下の役割があります。
- 商品やサービスの特徴をわかりやすく説明する案内役
- 展示会・ウェビナー・広告などで視覚的に注目を集める目印
キャラクターを活用することで、難しい内容や専門的な情報も、受け手にとって理解しやすく、親しみやすい形で伝えられます。
【関連記事】:企業の大事な公式キャラクターを守る!商標登録の全てを解説
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