最近、VTuber(バーチャルYouTuber)という
モーションキャプチャー技術を使用した3Dアバターが出演する動画や配信が人気を集めています。
その流れを取り入れ、個人VTuberとスポンサー契約を行う企業やVTuberを運用する企業も増えています。
企業VTuberは、企業のブランド認知拡大や顧客とのエンゲージメント強化に効果的です。
しかし、費用対効果を高めるには、初期制作費用や運用費用などの総合的なコスト管理が求められます。
そこで本記事では、2D・3Dモデル制作費の相場、制作会社と個人クリエイターの選び方、機材費用などを解説します。
コストを抑えつつ、高品質なVTuber運用を目指しましょう。
企業がVTuberを活用する理由
企業がVTuberを活用する主な理由には、「ブランド認知の向上」や「顧客エンゲージメントの強化」などが挙げられます。
特に、SNSや動画配信に慣れ親しんだ若年層への訴求力が高い点が特徴です。
自社のイメージキャラクターや従業員によるオリジナルVTuberを制作することで、
「企業らしさ」といった独自性も発信できます。
たとえば、自社のイメージに合ったキャラクター性をもつVTuberを制作し、専門的な情報などを発信することで、
「ただのVTuber」ではなく「自社のVTuber」として消費者との距離を縮めることが可能です。
こうした効果を最大限引き出すには、2D・3Dモデル制作や配信運用にかかる費用を理解し、戦略的に投資することが重要です。
コストと効果をバランスよく見極め、ROI(投資対効果)を意識した運用が成功のカギとなります。
モデルの種類による制作費の違い
VTuberの制作費は、モデルの種類やクオリティ、依頼先の選択に応じて大きく異なります。
制作費には、2D・3Dモデルの作成費用だけでなく、配信に必要な機材やソフトウェア、ライブイベントの運用コストも含まれます。
ここでは、2D・3Dモデルそれぞれの作成費用相場について解説します。
2Dモデルの制作費用相場
2Dモデルは、平面的なイラストのパーツごとに動きを加工し、動作を可能にしたモデルです。
作画が安定しやすく、簡単に始めやすいというメリットがある一方で、
動作に制限があり、基本的には立体表現はできないというデメリットもあります。
3Dモデルよりも制作費用を抑えられる場合が多く、制作費用の相場は、約10万〜40万円です。
以下に、2Dモデルの制作にかかる費用相場の内訳をまとめました。
作業内容 | 費用相場 |
キャラクターデザイン | 個人クリエイター:約5万~20万円 制作会社:約20万円~ |
パーツ分け・モデリング・モーション作成 | 個人クリエイター:約3万円~ 制作会社:15万円~ |
ただし、より多彩な動きや細部の繊細さなどのクオリティの高さを求める場合や
パーツ数の多さによっては、100万円を超えることもあります。
3Dモデルの制作費用相場
3Dモデルは、360度全身の動作が可能なモデルです。
2Dよりも制作に費用や期間がかかる一方、VTuberの仕草や動きなどの立体表現が可能なため
よりリアルで魅力的なキャラクターを制作できます。
3Dモデルは正面以外の制作も必要になることから、制作費用の相場は、約20万〜100万円です。
以下に、3Dモデルの制作にかかる費用相場の内訳をまとめました。
作業内容 | 費用相場 |
キャラクターデザイン | 個人クリエイター:約5万円~ 制作会社:約20万円~ |
3Dモデリング | 個人クリエイター:約10万円~ 制作会社:約70万~ |
3Dモデルの場合には100万円を超えることもよくあります。
個人クリエイターに依頼できれば、コストを抑えられる可能性もありますが、
3Dモデリング作業を行っている個人クリエイターは多くはありません。
その他必要な機材やソフトウェアの費用
VTuber活動を成功させるためには、モデル制作費だけでなく
配信に必要な機材やソフトウェアのコストも考慮する必要があります。
これらの設備は、スムーズな配信と高品質な映像・音声の実現に欠かせません。
以下に、必要な設備やソフトウェアに関する費用相場をまとめました。
必要な設備・ソフトウェア | 概要・備考 | 費用相場 |
パソコン | 動画配信や配信に使用できる高スペックのものを選びましょう。 【参考:2Dモデル使用の最低スペック】 OS:Windows 10、11 CPU:i5-8600、i7-7700、クアッドコア以上 メモリ:8GB 以上 【参考:2Dモデル使用の最低スペック】 OS:Windows 10 CPU:i5-6600 3.3GHz以上 メモリ:1GB RAM | 約15万~30万円 |
Webカメラ | 着脱式でヘッドを動かせるものがおすすめです。 【参考:最低スペック】 720p以上の画質 60°以上の画角 30fps以上のフレームレート | 数千円~3万円 |
マイク | 高音質なコンデンサーマイクがおすすめです。 | 数千円~3万円 |
オーディオ インターフェイス | マイクの音声をパソコンに取り込むための機器です。高音質な音声の録音や再生、声の加工などが可能になります。 | 約2万円~ |
VRヘッドセット | 3Dアバターを動かすために必要な機材です。トラッカー(トラッキング機材)を体に装着し、VRヘッドセットで動きを確認します。 | 約2万~20万円 |
トラッキング機材 | 3Dアバターを動かすために必要な機材です。身体の動きをリアルタイムで反映できます。 | 約2万円~ |
モーションキャプチャーソフト | 人と3Dアバターを連動させるために必要なソフトウェアです。トラッキング機材とセットになっている場合もあります。 | 約5万円~ ※無料のものもある |
フェイストラッキングソフト | まばたきや笑顔などの小さな表情の変化を読み取るために必要なソフトウェアです。感情の起伏を表現するために取り入れます | 数千円~ ※無料のものもある |
動画編集ソフト | ライブ配信だけでなく、動画投稿する場合に必要なソフトウェアです。サブスクリプション版や買い切り版があります | 500円/1か月~ ※無料のものもある |
上記の設備やソフトウェアをすべて導入する場合には、少なくとも約20〜30万円はかかるでしょう。
コストパフォーマンスを検討したうえで、最適な機器やソフトウェアを用意しましょう。
制作会社と個人どちらを選ぶべきか
VTuberのモデル制作を依頼する際、「制作会社と個人クリエイターのどちらを選ぶべきか」とお悩みの方も多いでしょう。
この問いに明確な答えはなく、予算や納期、求めるクオリティによって異なります。
そこで、それぞれの特徴について解説しますので、制作会社と個人クリエイターのどちらかを選択する際の参考にしてください。
制作会社の特徴
制作会社の場合、2Dモデルの制作費用相場は約30万〜40万円、3Dモデルの制作費用相場は約70万〜100万円です。
以下に、制作会社に依頼するメリット・デメリットをまとめました。
メリット | 複数人が作業に携わるため、納期調整がしやすい ノウハウがあり、一定以上のクオリティが担保される 「イラスト作成~モデリング・モーション作成」までを一気通貫して行ってくれる場合が多い 権利に関する契約が遵守されるため、トラブルに遭遇するリスクが低い |
デメリット | コストが高額になりやすい |
制作会社への依頼は、「はじめてVTuber制作を依頼する」「完成まですべての工程を一括で依頼したい」「企業のコンセプトに沿ったデザインを作り込んでほしい」といった場合に適しています。
個人クリエイターの特徴
個人クリエイターの場合、2Dモデルの制作費用相場は約10万円、3Dモデルの制作費用相場は約20万円です。
以下に、個人クリエイターに依頼するメリット・デメリットをまとめました。
メリット | コストを大幅に抑えられる VTuberのイメージや希望をダイレクトに伝えられる |
デメリット | クリエイターによって、クオリティの差が出る 人気クリエイターの場合、スケジュール調整が難しい場合がある 悪質なクリエイターに遭遇し、トラブルに発展する場合がある |
個人クリエイターへの依頼は、「コストを抑えて制作したい」「VTuber制作に対する知識や経験がある」「このクリエイターに作ってもらいたいという希望がある」場合に適しています。
無料で試せる方法はある?
高額な費用がかかるVTuberの制作ですが、
現在では無料で試せるツールやサービスも数多く提供されています。
ここでは、無料でVTuber制作を試すことが可能なツールや配信ソフト、それぞれの注意点などについて解説します。
無料でアバターを入手する方法
無料でアバターを入手するには、「ツールで制作する」か「配布されたアバターを入手する」の2つの方法があります。
- VRoid Studio
VRoid Studioは、オリジナル3Dアバターを無料で自作できるアプリケーションです。
あらかじめテンプレートや調整パラメータが豊富に用意されているため、簡単にキャラクターモデルを制作できます。 - BOOTH
BOOTHは、さまざまな創作物を販売・購入できるWebサイトです。
VTuberアバターが無料で配布されているものがあるため、簡単にアバターを入手できます。ただし、必ず利用規約の範囲内で利用することが必要です。
無料のトラッキング・配信ソフト
以下に、無料のトラッキングアプリや配信ソフトを紹介します。
- VTube Studio
VTube Studioは、2DのVTuber向けのトラッキングアプリです。
すべての機能が無料で使用できますが、透かしを消す場合にはDLCの購入が必要です。 - 3tene
3teneは、3DのVTuber向けの無償版と有料版があるトラッキングアプリです。Webカメラの顔認識でまばたき、顔の向き、口の動きを3Dモデルに反映できます。 - Mirrativ
Mirrativは、スマホからゲーム配信ができる配信アプリです。無料でアバターを作成し、誰でも簡単にVTuberとして配信できます。
この他にも、さまざまな無料配信ソフトやアプリが提供されています。
それぞれ特徴が異なりますが、いずれも簡単にアバターを作成・編集できるように工夫されています。
無料で始める配信活動の工夫
無料でVTuberのアバターを制作する場合、パーツや動作が限られていることで、他のVTuberとの差別化が難しい場合があります。
そのため、配信頻度を増やしたり、新しい企画を常に考えたりするなどの工夫が必要です。
制作費を抑えつつ高品質を実現する
ここまでVTuber制作費について紹介しましたが、高額な初期費用がかかることがわかります。
しかし、初期費用にお金をかけすぎると、活動資金の確保が難しくなることもあります。
そのため、制作費は抑えつつも、高品質なVTuber制作を実現するためには戦略的な工夫をすることが大切です。
たとえば、配信機材であれば必要最低限のものから揃え、活動の拡大に応じてアップグレードすることで、無駄のない投資が可能になります。
また制作会社に依頼するのではなく、実績が豊富な個人クリエイターに依頼することで、大幅に費用を削減できます。
VTuberの制作依頼は「cone」がおすすめ
「どこで実績が豊富な個人クリエイターに依頼できるかわからない」
「個人クリエイターと契約して、トラブルになりたくない」
という場合には、クリエイターへのデザイン制作依頼プラットフォーム「cone」の活用がおすすめです。
coneは、依頼時の仕様作成や最適なクリエイターのご紹介、クリエイターとのやり取り、契約まわりなどの「依頼〜納品完了」までを経験豊かな専任アドバイザーが、無料でサポートしている法人向けに特化したプラットフォームです。
coneでは、低コストかつ高品質なVtuber・モデリング制作に対応したクリエイターが多数在籍しています。
【Vtuber・モデリング制作の費用相場】
- VTuberの立ち絵:1万円~
- 2Dモデリング:5万円~
- 3Dモデリング:10万円~
- 配信画面制作:5,000円~
「Vtuber・モデリング制作について相談したい」という方は、以下からお気軽にご相談ください。
「coneについて詳しく知りたい」という方は、下記をご覧ください。