動画編集の機能の一つに、速度の変更というものがあります。ビデオカメラで撮影した映像をそのまま動画にすると、そのままの速度になります。
このままでももちろん問題ありませんが、編集でスピードを変えるとさまざまな効果を得られるため、故意に速度変更するのも一つの手なのです。
今回は、動画の速度を変えたい人に向けて、速度を変えることによる効果、変更方法や注意点、また編集におすすめのソフトなどをご紹介します。
動画の速度変更の効果とは?
動画のスピードを変えるとさまざまな効果があります。その中でもおすすめなのが、以下の3つの効果です。
スロー再生すれば印象深い動画に
映画やドラマなどのワンシーンでは、よくスローモーションが使われます。このようなスロー再生は、細かい部分を見せたいときや、特定のシーンを印象付けたいときに有効です。
印象深いビデオクリップにしたい場合は、スロー再生してみると良いでしょう。
参考記事:動画をゆっくり再生させたい!スローモーション編集する方法は?
倍速再生ならカットせずに見せられる
スローとは反対の倍速再生にもメリットがあります。たとえば、移動中のシーンなどは冗長になりがちですが、全部カットするとその最中の様子がわかりません。
倍速にすれば時間を短縮しつつ全体の流れを見てもらえるので良いでしょう。
両方使えばメリハリのある映像が作れる
見せたいところはゆっくりと、冗長な部分は早めにすると、緩急がついて見やすい動画になります。視聴者側にとっても、どこが見てもらいたいポイントなのかわかりやすいでしょう。
多少作業に手間がかかりますが、評価の高い作品を作りたい場合はおすすめです。
速度設定を調整するには?
実際に速度を変えるにはどのようにすれば良いでしょうか?
速度設定を変更する方法をご紹介します。
シーンごとにスピードを変える
動画制作者側が意図したとおりに見てもらいたい場合は、シーンごとに細かくスピード設定を変えるとよいでしょう。作業は細かくなりますが、ソフトによっては簡単に操作可能です。
たとえばAdobeの動画編集ソフト『After Effects』では、タイムリマップを適用して再生時間を伸縮できます。
動画全体のスピードを変更する
細かいこだわりがない場合は、作品そのもののスピードを変えるのもおすすめです。この場合は全体のスピードが速くなるので、作品の時間が短くなります。
全体的に間延びしているように感じた場合は、この方法で少しスピードアップすると効果的かもしれません。
視聴者にゆだねることも可能!?
メディアプレイヤーによってはユーザー側の設定でビデオ再生速度を変更できます。動画視聴者の中には、常に倍速で聞いているという人もいます。
再生スピードはあくまで視聴者側の判断で変えてもらいたいという場合は、作品そのものは編集せず、キャプションなどにその旨を書いておくと良いかもしれません。
速度変更するときの注意点
動画速度はユーザー側でも変更可能なため、制作者側が注意しても防げない問題もあるものの、動画編集の時点で速度を変える場合は以下の2点に注意して作業することをおすすめします。
作品全体の雰囲気に問題はないか?
映像の内容によっては、完成形の雰囲気を保ちたい場合もあるのではないでしょうか。速度を変更すると雰囲気がだいぶ変わるため、このような作成意図に反してしまう可能性があります。
雰囲気を重視する際は、あらかじめ速度変更後の作品をチェックしておくと安心です。
音声は聴きとれるか?
倍速にした場合、音声がうまく聴きとれなくなることがあります。しっかり聴きとれる速度なのかどうか、事前にチェックしておくと視聴者に対して親切で良いかもしれません。
一般的に、ゆっくり話すと説得力が増し、早く話すと脳に残りやすいといわれますが、そのような効果を期待する場合は特に注意が必要でしょう。
速度変更できるビデオ編集ソフト
動画速度はアプリでも変えられますが、ここではパソコンから利用できるおすすめの動画編集ソフトを2つご紹介します。ぜひチェックしてみてください。
AviUtl
無料ながら多機能なことで有名な動画編集ソフトです。2倍速の早送り、0.5倍速のスロー、逆再生など、さまざまな再生方向に対応。再生速度を変えると音声の再生速度も自動的に変わる仕様です。そのほかにも、切り出し、削除、連結、字幕、各種フィルターなどの機能が搭載されています。
Windows対応です。
外部サイトへ:AviUtl
Filmora
初心者でも使いやすい本格的な動画編集ソフトです。再生速度変更のほか、回転、明るさ、ノイズ除去、分割、クロップ、オーディオ分離、手振れ補正、モザイクなど多彩な編集機能を搭載。
テーマに沿って作成できる「簡単編集モード」と、エフェクトの追加やトリミングなどができる「高度編集モード」の2つがあり、幅広いユーザーに対応しています。
シェアウェアですが無料体験版が利用できるので便利でしょう。Windows、Macともに対応しています。
外部サイトへ:Filmora
まとめ
動画の速度変更にはさまざまなメリットがあります。じっくり見てほしい場合や冗長なシーンを早送りしたい場合は、速度を変えてみると良いでしょう。ただし、作品によっては当初のイメージと離れてしまう可能性もあるので、SNSや動画サイトにアップする場合は、事前にチェックしておくことをおすすめします。
動画速度はソフトを使って簡単に操作できるので、この機会に一度試してみてはいかがでしょうか?